14,港町でのクエスト
そして港町についた。
船着場まで歩いてゆく。僕にとって初めて訪れた別の人の住む地域。潮風や天干してあるダイオウイカが新鮮だ。
船着場には多くの人々が行き交っている。
「あの、すいません」
「なんだ?」
暇そうにしているひげの船員に聞いてみると、魔王大陸へはこの船を乗ればいいらしい。お金はぎりぎり足りる、けど。
「アリサ、お金は持ってる?」
「え?足りないの?」
「いや、足りはするけど、、」
しかし二人分の料金だと食費が心もとない、、。そういうと船員が、
「それならそこのお嬢さんに護衛を頼みたい。ギルドクエストみたいなもんだ。 それでバイト代も出す。 」
「え?ほんと!?」
「船賃よりも多くだしてやる。いい小遣いになるだろ」
「 いいんですかそんな親切にしてもらって、、」
「ああ、というのも、なにやら最近不穏な噂がたえないからな。海上で不審な光を見たとか、、」
「ふっふ。いいでしょう。私の弓の出番かしらね!」
アリサは張り切っているが、しかし僕という勇者を差し置いていいのだろうか?
「その、僕は?一応剣ももってるし、、」
「おいおい、君はあまり強くないだろ?気迫がないぞ?」
がーん。出鼻をくじかれた。
僕はしょんぼりしていると、
「仕方ないよ。ユーは初めて旅に出たんでしょ?」
「うん、、」
しかし、アリサを仲間にしておいて良かったとも言える。