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隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~  作者: 空気人形


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「リサイクル」

後輩のKちゃんから、不意に声をかけられた。


「先輩、先週リサイクルショップでカバン買いました?」

「あー、買ったよ。なんで知ってるの?」

「うちのお母さんが見たらしいんですよ」

「えっ、そうなの?……あれ、でもお母さんって四国に住んでるんじゃなかったっけ。こっちに来てたの?」

「いえ、夢で見たそうです」


Kちゃんは真顔でそう続けた。


「『もし本当に買っていたら、たぶん良くないものだからすぐに売った方がいい』って言ってました」


Kちゃんのお母さんが何者なのか、どんな夢を見たのか、詳しいことは何も聞いていない。

だが、余計な説明を一切しないKちゃんのフラットな態度が、かえって異様なリアリティを帯びていて気味が悪かった。


結局、買って間もないお気に入りのカバンだったが、私はその日のうちに手放した。

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