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隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~  作者: 空気人形


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「のしかかる」

小学校で教師をしている友人が、同僚から聞いた話。


以前勤めていた学校に、当時五年生の「幽霊が見える」と公言している女子児童がいた。

「六年生の教室にお化けがいる」「近所の公園のトイレに幽霊がいる」などと日常的に周りに話しており、クラスの子どもたちは半信半疑で聞き流していたという。

それでも彼女は気にすることなく、楽しそうに怪異の話を続けていた。


話を聞いていた同僚の先生も、(もしかしたら本当に見えているのかな……)と半分くらいは信じていたそうだ。


だがある日、全く関係のない別の女子児童が、ふと先生にこう囁いた。


「あの子、本当はお化けなんて見えてないよ」


「えっ、そうなの?」


先生が問い返すと、その子は淡々とした口調でこう続けた。


「だってあの子、自分の肩に黒い影がのしかかっている話、いっさい言わないもん」


その子は普段、霊感どころか怪談の話すら一度もしたことがない大人しい子だった。


(この子は一体、何が見えているんだ……?)


無表情で言い放たれたその言葉に、先生は一気に背筋が凍りついたという。

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