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隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~  作者: 空気人形


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「伸縮」

会社のMさんが、出張先のホテルで朝目を覚ましたときのこと。


ベッドの上で「うーん」と大きく身体を伸ばした。

掲げた両手は壁に届き、伸ばした足は部屋の奥にあるテレビ台の机に触れた。


……えっ!?


一瞬、思考がフリーズした。

自分が寝ているベッドからテレビ台までは、人が一人通れるほどの距離がある。届くはずがない。


動惑していると、遠くの机に触れていた自分の足が、ゴムのように『するっ』と元の長さに縮んで戻ったという。


「もし私の足が急に長くなったんだとしたら、あんな風になるのかしらね?」


そう言って笑っていたMさんだった。

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