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隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~  作者: 空気人形


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「壁の向こうの教室」

もう統廃合されて今はもうない、私が通っていた母校。

その校舎は前館後館があり、それぞれの端に階段があって、その階段の奥にポツンと一つだけ教室が配置されていた。


ある日の夕方、部活の最中にふとグラウンド側の3階の端の教室を見ると、中で誰かが踊っているのが見えた。

「なんだあれ、3-1の奴か? あそこのクラスは変なやつが多いからな」

友達とそう笑い合いながら、私たちはその時は深く気に留めなかった。


部活が終わり、階段を上って3階の自分たちのクラス(3-5)に戻るため、左手に折れる。だが、3-1の教室に人の気配はない。3-2、3-3、3-4と廊下を進むうちに、妙な違和感が頭をもたげた。


……あれ? そもそも、3階の階段の右手には、教室なんてあったっけ?


慌てて戻ってみると、階段の奥に広がっていたのは、見慣れない冷たい「壁」だった。

じゃあ、見間違いだったのか? しかし、外に出て下から見上げてみると、2階の同じ位置にはちゃんと教室が突き出している。


翌日、気になって先生に尋ねてみた。

「ああ、あそこは生徒数が増えた時用の教室だよ。今は壁で塞いでるだけだから」


淡々と言い放つ先生の言葉に、不自然なところはなかったのかもしれない。

だが、ただの空き教室を、わざわざ壁で塗り固めて隠すなんてことがあるのだろうか――。


釈然としない思いを抱えながらも、私たちはそれ以上追求するのをやめた。

『隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~』をお読みいただきありがとうございます!

毎日20時に更新しておりますので、明日もぜひお越しください。



また、別作品の中編ホラー『群青の嘘 ~港の廃屋と消えた少女~』『海冥の檻〜偶像(かみさま)の言う通り~』も掲載中です。


『隙間奇談』とは一味違う、じっくり魅せるホラーとなっておりますので、こちらもあわせてお楽しみいただけたら幸いです!


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