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隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~  作者: 空気人形


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「雷の声」

雷が凄まじく鳴り響いた、翌朝のこと。

小学校に登校して教室に入ると、同じクラスの男子たちが机を挟んで昨夜の雷について話していた。


「昨日の雷、マジで凄かったよな」

「な。何回も近くにドカン落っこちてさ」


昨夜の雷雨は本当に酷かった。地響きのような雷鳴が何度も鳴り渡り、家の中にいても生きた心地がしなかったのを覚えている。男子たちの話に心の中で頷きながら自分の席に着こうとした、その時だった。


「途中で『オギャー!!』って赤ん坊の泣き声みたいに聞こえたやつあったじゃん。あれ流石にビビったわ」


一人の男子が、なんてことないように言った。

会話を聞いていたもう一人の男子が、嫌そうな顔をして首をかしげる。


「……は? そんなの聞こえたか?」

「え、聞こえなかった? さあ、気のせいじゃない?」


男子たちはそのまま笑い合って、別の話題に移っていった。


雷の重低音と、赤ん坊の高い叫び声。聞き間違えるはずがない。

昨夜の雷鳴の中に、そんな音なんて絶対に混ざっていなかった。

『隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~』をお読みいただきありがとうございます!

毎日20時に更新しておりますので、明日もぜひお越しください。



また、別作品の中編ホラー『群青の嘘 ~港の廃屋と消えた少女~』も掲載中です。


『隙間奇談』とは一味違う、じっくり魅せるホラーとなっておりますので、こちらもあわせてお楽しみいただけたら幸いです!


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