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隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~  作者: 空気人形


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「役目を終えた石」

大学の後輩のKちゃんは、卒業後にどういう経緯か占い師になっていた。

しばらく会えていなかったのだが、関西へ遊びに行くついでに彼女のお店に寄ってみることにした。


彼女は喫茶店の一角を間借りして、占い稼業を営んでいた。

さっそく占ってもらうと、彼女は真顔で「うつわさん、足の怪我に注意って出てますね」と言う。

「あー……ついこの間、肉離れしたわ」

「あはは、忠告が間に合わなかったですね」と二人で笑い合った。


そんな彼女は、お守り代わりにパワーストーンのアクセサリーも作れるという。

ぜひにとお願いし、「ホークスアイ(鷹の目石)をメインに、相性の良い石で」と希望を出して作ってもらうことにした。

出来上がり次第郵送してくれるとのことで、楽しみに待っていると、後日無事に素敵なアクセサリーが届いた。


さっそく身につけて過ごしていたのだが、ある出張先のホテルでのこと。

急に激しい腹痛に襲われ、トイレにこもっていると――バァンッ!と、音を立てて手首のアクセサリーが弾け飛んだ。

どこかに引っかけたわけでもない。慌てて床に散らばった石を拾い集めたが、狭い室内にもかかわらず、なぜか数個の石が見つからなかった。


後日、Kちゃんにメールでその出来事を伝えると、

「うつわさんの身代わりになってくれたのかもしれませんね」と返ってきた。


あまりの効果に「ぜひ次のものも作ってほしい」と頼みたかったのだが、タイミング悪く彼女は直後に結婚し、占い稼業から足を洗ってしまっていた。


彼女のお守りが守ってくれたのか、それとも最後に役目を終えて消えていったのか。

もう二度と頼めないことも含めて、あれも何かの不思議な「巡り合わせ」だったのかもしれない。

『隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~』をお読みいただきありがとうございます!

毎日20時に更新しておりますので、明日もぜひお越しください。



また、別作品の中編ホラー『群青の嘘 ~港の廃屋と消えた少女~』も掲載中です。


『隙間奇談』とは一味違う、じっくり魅せるホラーとなっておりますので、こちらもあわせてお楽しみいただけたら幸いです!


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