「役目を終えた石」
大学の後輩のKちゃんは、卒業後にどういう経緯か占い師になっていた。
しばらく会えていなかったのだが、関西へ遊びに行くついでに彼女のお店に寄ってみることにした。
彼女は喫茶店の一角を間借りして、占い稼業を営んでいた。
さっそく占ってもらうと、彼女は真顔で「うつわさん、足の怪我に注意って出てますね」と言う。
「あー……ついこの間、肉離れしたわ」
「あはは、忠告が間に合わなかったですね」と二人で笑い合った。
そんな彼女は、お守り代わりにパワーストーンのアクセサリーも作れるという。
ぜひにとお願いし、「ホークスアイ(鷹の目石)をメインに、相性の良い石で」と希望を出して作ってもらうことにした。
出来上がり次第郵送してくれるとのことで、楽しみに待っていると、後日無事に素敵なアクセサリーが届いた。
さっそく身につけて過ごしていたのだが、ある出張先のホテルでのこと。
急に激しい腹痛に襲われ、トイレにこもっていると――バァンッ!と、音を立てて手首のアクセサリーが弾け飛んだ。
どこかに引っかけたわけでもない。慌てて床に散らばった石を拾い集めたが、狭い室内にもかかわらず、なぜか数個の石が見つからなかった。
後日、Kちゃんにメールでその出来事を伝えると、
「うつわさんの身代わりになってくれたのかもしれませんね」と返ってきた。
あまりの効果に「ぜひ次のものも作ってほしい」と頼みたかったのだが、タイミング悪く彼女は直後に結婚し、占い稼業から足を洗ってしまっていた。
彼女のお守りが守ってくれたのか、それとも最後に役目を終えて消えていったのか。
もう二度と頼めないことも含めて、あれも何かの不思議な「巡り合わせ」だったのかもしれない。
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