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隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~  作者: 空気人形


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「鼻歌」

旅行中、すっかり遅くなってしまった夕食の場所を探しながら、夜道を歩いていた。

画面に集中しながら歩いていると、前方からふと鼻歌が聞こえてきた。


すれ違う人が来たのだろうと思い、邪魔にならないよう歩道の端へ寄りながら、そのままスマホに目を落として歩き続けた。


――トンっ。


向かいから歩いてきた何かに、肩が軽くぶつかった。

流石に歩きスマホをしていたのはまずかったと思い、申し訳なさから急いで目を上げ、「あ、すみませ――」と頭を下げかけた。


だが、目の前には誰もいなかった。

誰もいるはずのない、無人の歩道が広がっているだけだった。


驚きで固まっている私の横を、楽しげな鼻歌だけが通り過ぎ、じわじわと後ろの方へ離れていった。

『隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~』をお読みいただきありがとうございます!

毎日20時に更新しておりますので、明日もぜひお越しください。


また、別作品の中編ホラー『群青の嘘 ~港の廃屋と消えた少女~』も連載中です。

『隙間奇談』とは一味違う、じっくり魅せるホラーとなっておりますので、こちらもあわせてお楽しみいただけたら幸いです!


▼『群青の嘘』はこちらから

https://ncode.syosetu.com/n5968mp/


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