「無意識の施錠」
夜中、猛烈な腹痛に襲われてトイレへ駆け込んだ。
一人暮らしだが、習慣とは恐ろしいもので無意識に鍵を閉めていた。
しばらくの奮闘の末、ようやく波が引き、一息つく。
鍵を解除して外へ出ようと手を伸ばした瞬間、ドアノブが猛烈な勢いで上下に動き始めた。
ガチャガチャガチャガチャガチャッ!
勢いに呑まれ、思わず鍵を開ける手を引っ込める。
息を殺してドアの向こうの気配を探るが、音以外は何もない。
今この扉を開けたら、ドアのすぐ向こうに「誰か」が立っているのだろうか。
開けるに開けられず、狭い空間で頭を抱えること30分。
腹を括り、一か八かで鍵を回した。
ガチャリ。
静寂。
ドアを細く開けて覗き込むと、そこにはいつもと変わらない静まり返った自室があるだけだった。
『隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~』をお読みいただきありがとうございます!
毎日20時に更新しておりますので、明日もぜひお越しください。
また、別作品の中編ホラー『群青の嘘 ~港の廃屋と消えた少女~』も連載中です。
『隙間奇談』とは一味違う、じっくり魅せるホラーとなっておりますので、こちらもあわせてお楽しみいただけたら幸いです!
▼『群青の嘘』はこちらから
https://ncode.syosetu.com/n5968mp/
「面白かった!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、下部の【ブックマーク登録】や【評価(★★★★★)】で応援していただけると、執筆のモチベーションがものすごく跳ね上がります……!




