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隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~  作者: 空気人形


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「喧嘩の原因」

T先輩とG先輩は、学校の麓にある寮で隣同士の部屋に住んでいる。

ある日、T先輩が真顔でG先輩にこう切り出した。


「俺の部屋、お化けが出るんだよ。壁からバーッと走ってきて、お前の部屋(隣)に向かって消えていく。お前の部屋にも絶対出てるはずだ」


だが、G先輩は「いや、見たことないけど」と首をかしげる。


「毎回決まった時間に出るんだから、見てないはずがないだろ!」「いや、本当に見た事ないよ」と押し問答が始まり、「て、それいつ出るんだ?」という話になった。


曜日と時間を聞いて納得。その時間、G先輩はいつもバイトで不在だったのだ。

納得がいかないG先輩は、後日わざわざバイトを休んで自室で検証することにした。


翌日、浮かない顔をしたG先輩がT先輩に怒っていた。

「……昨日、うちの部屋にも出たよ! なんでそんな余計なこと教えるんだ!」


さらに気になって隣の住人にも聞いてみると、やっぱりその部屋の壁も走り抜けているらしい。

私は素朴な疑問が湧いて、先輩たちに聞いてみた。


「そもそも先輩たちの部屋って2階ですよね? なんで一階じゃなくて2階の空中に浮いた壁を横切っていくんですかね?」


「そんなの俺たちに言われても知らんよ。幽霊に直接聞いてくれ」

先輩たちはただ、そう返すだけだった。

『隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~』をお読みいただきありがとうございます!

毎日20時に更新しておりますので、明日もぜひお越しください。


また、別作品の中編ホラー『群青の嘘 ~港の廃屋と消えた少女~』も連載中です。

『隙間奇談』とは一味違う、じっくり魅せるホラーとなっておりますので、こちらもあわせてお楽しみいただけたら幸いです!


▼『群青の嘘』はこちらから

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