「不在の応答」
私が学生の頃まだ携帯をもっていなかったので一人暮らしのアパートにも固定電話を置いていた。2回生になり携帯を持つようになった。
夏休みに実家へ帰省した際、自室の固定電話に留守電が入っていないか確認しようと思い立った。当時の電話機には、出先からパスワードを打ち込むと録音を聞ける機能があったのだ。
携帯から自分の部屋へかける。
プルルル……ガチャ。
『はい、もしもし』
若い女性の声だった。
押し間違えたと思い「あ、すみません」と切ったが、履歴を見ると確実に自分の家の番号だった。電話帳からかけているのだから間違えようがない。
震える指でリダイアルする。
プルルル……ガチャ。
『留守番電話に接続します』
二度目は正常に繋がった。
あれはただの混線だったのか。それとも、私の留守中に「誰か」が部屋で電話に出たのか。
後者ではないことを祈りながら、私は留守電を確認した。
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