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隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~  作者: 空気人形


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「天井の落書き」

近所にある、古びた地下道。

以前、道路の高架工事のために一時的に作られたもので、工事が終わった今ではほとんど使う人もいない、半ば役割を終えた場所だ。


ある日、ふとした気まぐれでその地下道を通ってみることにした。


階段を降りると、そこには昼間だというのにひんやりとした静けさが広がっていた。人影はひとつもなく、自分の靴音だけが虚しく響く。


何の気なしに通り抜けようとした、その時。


ふと不自然な気配を感じて視線を上げると――頭上の天井に、落書きがあった。


拙く、震えるような子どもっぽい筆跡で、こう書かれていた。


『こんにちは』


大人の背でも届かないような天井に、なぜ、誰が、どうやって何のために書いたのか。

『隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~』をお読みいただきありがとうございます!

毎日20時に更新しておりますので、明日もぜひお越しください。


また、別作品の中編ホラー『群青の嘘 ~港の廃屋と消えた少女~』も連載中です。

『隙間奇談』とは一味違う、じっくり魅せるホラーとなっておりますので、こちらもあわせてお楽しみいただけたら幸いです!


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