「未来の後輩」
知人のMさんが「そういえば」と教えてくれた、不思議な夢の話。
ある日、Mさんは夢の中でいつもの職場で働いていた。
職場のスタッフは15人ほどで、全員お互いの顔を知っている。
なのに、その日はなぜか見覚えのない人物が1人、ごく自然に混ざって一緒に働いていたのだ。
(こんな人、うちの職場にいたっけ……?)
不思議に思いつつも、「いや、前から知っているような気もするな」と首をかしげているところで目が覚めた。
それからしばらく経ち、すっかりその夢のことも忘れていた頃。
所長から「今日、新しいパート希望の人が面接に来るから」と告げられた。
ピンポーン――。
チャイムが鳴り、Mさんが応対のために玄関へ出ると、そこに立っていたのは夢の中で見た「あの知らない人」だった。
その瞬間、Mさんの頭の中に電撃が走ったように、ハッキリと名前が浮かんだ。
(あ、Sさんだ――)
なぜ急に名前が浮かんだのか自分でも分からず、動揺した。
(いやいや、夢で見ただけでも奇妙なのに、名前まで合ってるわけないよね……)
面接が終わり、所長に「さっきの面接の方、どうでした?」と尋ねると、
「ああ、Sさんね。すごく良さそうな人だったから採用しようと思うよ」と返ってきた。
まさか名前までぴったり一致しているとは。
「来月から同僚になる人と、夢の中でフライングして一緒に働いちゃってたのよ」と彼女は私に言った。
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