「赤い光」
小学生の頃の、大晦日の夜の話。
両親と姉、妹、私の家族5人で初詣に向かうため、夜の23時過ぎに車で移動していた。
走行中、姉が「ねえ、あれ見て!」と車の進行方向を指さした。
その指の先を見ると、夜空にペットボトルのキャップくらいの大きさの「赤い光」がぽつんと浮いている。
「なんだあれ?」と家族みんなで凝視する中、私が「あれ、UFOじゃない!?」と言うと、妹も「そうだ、絶対UFOだ!」と身を乗り出した。
すると、姉が冷静な声で「何かイベントでもやってるんじゃないの?」と言い出す。
だが、車が向かっている先は海だ。夜の海にそんな何かが浮くようなイベントなんてあるはずがない。「こんな夜中の海で、赤い光を浮かべるイベントなんて何よ!」と、私たちは口をそろえて反論した。
するとその赤い光は木の葉が落ちるようにひらひらと左右に揺れて降下していく。
「お父さん! あれ絶対UFOだから、あっちに見に行こうよ!」
私たちは大興奮で頼み込んだが、運転席の父は至って冷静に「今日は初詣に行くんだからダメ」と一蹴。車はそのまま神社へと向かった。
あれから何年経っても、年末になると妹と二人で初詣でUFO見たよねと話題にのぼる、我が家のちょっと不思議な思い出だ。
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