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隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~  作者: 空気人形


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「小説の中から」

友人たちと旅行に行った時の話。

私が大の怖い話好きということもあり、移動中の車内では「怖い話を聞かせて!」と大盛り上がり。急遽、怪談大会が始まりました。


ホテルに着き、各自の部屋へ分かれる際、友人から

「今回の旅行中、もし何か怖いことが起こったら教えてね」

と言われました。私は「そんな簡単に怪奇現象なんて起きるわけないじゃん」と、半ばあきれながら自分の部屋へ入りました。


夕食まで少し時間があったので、持参していた小説でも読もうと栞のページを開いた、その時です。


――ぼとり。


本の間から、長い髪の毛の束が落ちてきました。


「さっそく起きちゃったよ…」と思い、すぐに友人の部屋をノック。「どうしたの?」と出てきた友人に「いま小説からこの髪の毛の束が出てきたんだけど、欲しいならあげるよ」と差し出しました。


友んは「こんな長さと量の髪が、こんな小さな本から出てくるわけないでしょ!」と笑って取り合いませんでしたが、「本当だって!」と真顔で伝えると、ようやく事態を把握した様子。


「……怖い話は聞きたいけど、現物は要らない」

と断られてしまいました。

『隙間奇談 ~日常の「すきま」に潜む、奇妙な短編集~』をお読みいただきありがとうございます!

毎日20時に更新しておりますので、明日もぜひお越しください。


また、別作品の中編ホラー『群青の嘘 ~港の廃屋と消えた少女~』も連載中です。

『隙間奇談』とは一味違う、じっくり魅せるホラーとなっておりますので、こちらもあわせてお楽しみいただけたら幸いです!


▼『群青の嘘』はこちらから

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