第四話 武器商人と恐ろしい魔物
毎日午後5時に新エピソード公開です♪
今回は新キャラが登場✨
魔物との戦闘も…!?
いってらっしゃい!
「オイ!エルリック!何だそのガキ。」
そこはレンガ作りの武器商店だった。
瞬間移動の直後。一息ついた矢先に、ドスの効いた声が響き渡り、ミノンは思わず身を固くした。
「異世界の子。拾ったんだ。」
こともなげに答えるエルリックにやれやれと首を振るのは、大柄の男性だった。頭には手ぬぐいを巻き、丈夫そうなデニム生地のエプロンを全身に被せている。この店の主なのだろうか、太い眉と意志の強そうな瞳が威圧感を出している。
「おい、じょうちゃん。」
男性はミノンを睨むように見つめ、はっきりと口にした。
「ここは、レベル7のガキが来る所じゃねぇ。悪いことぁ言わねぇ、帰んな。」
すっかり気おされてタジタジになってしまうミノン。エルリックは困ったように頬をかいた。
「あー…。でもダリオン、この子は…。」
(このおっさんはダリオンさんっていうのか。)
エルリックの一歩後ろに隠れつつ、ミノンは空中に提示されたデータを眺めた。
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ダリオン LV.57
職業:武器商人
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(ごじゅうなな…!すごい…。)
一人感動しているミノンをよそに、ダリオンは説教を始めていた。
「というかお前なぁ、拾ってきたって…。脱いだローブもろくに畳めねぇやつが、人様の世話なんてできるのか?だいいち、そういうのはギルドを通してから…」
「!!」
そのときだった。
「ダリオン!後ろ!」
面倒くさそうに聞いていたエルリックの表情が一変し、叫んだ。
ダリオンの後ろには、大きなゴブリンが迫っていた。
「!?」
とっさに身構えようとするが、ゴブリンの動きの方が早かった。
「キシャァァァァァァァッ」
威嚇の鳴き声とともに、その手に握られたごつごつとした棍棒が、勢いよくダリオンの後頭部を直撃しようとした、そのときであった。
「危ない!!」
とっさに、体が動いていた。
「フィアマ!!」
スキル『魔力強化(LV.3)』同時発動ーー。
練習のときより更に威力を増した火の玉が、ミノンのかざした手からいくつも放たれた。
「ギャアアアアアアアアアアアアッ」
黒板を引っ掻いたようなうめき声を上げ、ゴブリンが火だるまになる。
それをエルリックは顔を輝かせて、ダリオンは唖然として見ていた。
「こんなに強いなんて…。レベル7?レベル70の間違いか…??」
「だから言ったでしょ?この子は特別な子だって。」
自分のことのようにドヤ顔をするエルリック。
すると、ミノンが二人を呼ぶ声がした。
「おっさーん!エルリックさーん!」
「なんだー?」
「な、なにー?」
一瞬自分が「おっさん」と呼ばれたと思ったらしく、エルリックがワンテンポ遅れて返事をする。
「あれみて!あっちが本拠地!」
それに構わず、ミノンは西の方角を指差して言った。その先には、確かに石と藁葺き屋根のようなゴブリンのすみかが見えた。距離は300mほどあるだろうか。
「よし、俺たちはアジトを潰しに行く。お前はここで待ってろ。」
そう言ってダリオンが分厚いデニムのアームカバーを外すと、重たそうな鋼鉄のガントレットが現れた。
「数匹、ミノンの方にも来るかもしれないね。ダリオン、お願い。」
「…ったくしょうがねぇな。受け取れ!」
ダリオンが鞄から細長い何かを取り出し、ミノンに投げてよこした。
受け取ってよく見てみると、それは鞘に入った短剣だった。金を基調としたデザインで、刃の根元近くには赤い石のはめられた音符のモチーフがついている。
「「音色の短剣」だ。オレの知る中で一番腕利きの職人が作った一品物だ、好きに使え!」
「ダリオンさん…」
ありがとうございます、とミノンは短剣を大事に握りしめた。
「がんばれよー!」
「テレポ!」
うなずいて、二人はゴブリンのアジトへと瞬間移動していった。
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「本丸だな。」
「うん。ゴブリンは群れるからね。」
ザッ、ザッと砂利の混じった道を歩く音が静かに響く。
「親分格のがいるかもな…。」
「そうだね。でも僕らなら大丈夫でしょ。ミノンには弱いのを当てるから。」
「お前、やっぱ嬢ちゃん…ミノンをわざと戦わせようとしてるだろ。」
「あはは、バレた?」
「ったく、お前は本当にもう…。」
「!!ダリオンあれ!」
エルリックの表情が引き締まり、大きな杖を構える。その目線の先には、ひときわ大きな魔物がいた。先程のゴブリンは腰あたりまでしかなかったが、今回はほぼ人と同じ姿をしている。違うところといえば、尖った耳、やや緑がかった褐色の肌、鋭い爪、そして猫のような瞳孔といったところだろうか。
魔物はシャシャッと威嚇の声を上げながら、ゾンビのような動きで迫ってくる。
「アクエスト!」
エルリックが杖を向けると、荒天の海を切り取ったような激しい波が何重にもなって、魔物にぶつかっていった。
「重撃!」
負けじとダリオンも加勢する。
水魔法の激流とエネルギーの塊が、魔物を飲み込もうとした、そのときだった。
「!?」
攻撃を喰らったのは、小さなしたっぱのゴブリンだった。いつの間にか、入れ替わっている。
「何が起きた!?ワープか?」
「あれはスキル『転位』。自らの視界内にいる仲間の魔物と、位置を入れ替えられるみたいだね。」
エルリックがスキル『天眼』を発動し、魔物のスキルを説明した。
「そういうことか!逃がさねぇ!」
再びガントレットを構え、ダリオンが叫んだが、エルリックが手をかざして制止した。
「待って。こいつ…耳に火傷の痕がある、しかもまだ新しい。」
「本当だな、炎魔法か?オレ達は使ってないが…。!!ま、まさか…!!」
「ミノンの所の魔物と入れ替わった…!?」
読んでくれてありがとう✨
果たしてミノンは無事なのか??
次回もお楽しみに!




