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最弱から始めるゴブリン成り上がり譚 〜進化する俺はもう雑魚とは呼ばせない〜  作者: AI+


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459/482

【第458話:北へ続く道】

イエガンは宿場町を離れ、北へ続く街道を進んでいた。

朝の光が森の隙間から差し込み、長い影を地面へ落としている。


手元には昨日渡された紙片がある。

そこに描かれていた謎の刻印は、神殿跡で見つけたものと確かに似ていた。


偶然とは考えにくい。

黒いローブの集団は、同じ目的を持って動いている可能性が高かった。


イエガンは歩きながら、これまで得た情報を整理する。


神殿跡に残された文字。

消えた足跡。

そして、北へ向かった黒いローブの者たち。


まだ繋がっていない部分は多い。

しかし、少しずつ相手の行動が見えてきていた。


「探す場所は間違っていないようだな」


イエガンは小さく呟く。


クロナなら、もっと早く何かを掴んでいたかもしれない。

そう思うこともある。


だが、今ここにいるのは自分だ。


力だけでは解決できない問題だからこそ、自分が動く意味がある。


昼を過ぎた頃、イエガンは小さな集落へ辿り着いた。

街道沿いに作られた簡素な集落で、数十軒ほどの家が並んでいる。


人の数は少ない。

しかし、旅人が立ち寄る場所らしく、小さな店もいくつか存在していた。


イエガンが集落へ入ると、住民たちの視線が集まる。


獣人の姿は、この辺りでは珍しいのだろう。

警戒する者もいれば、興味深そうに見る者もいた。


イエガンは気にせず歩く。


目的は一つ。

北へ向かった黒いローブの集団について情報を集めることだった。


しばらく探した後、イエガンは集落の外れにある小さな酒場を見つけた。

木造の建物で、昼間から数人の旅人が休んでいる。


中へ入ると、店主らしき老人が顔を上げた。


老人は白くなった短い髪と、深く刻まれた皺を持っている。

長年この土地で暮らしてきたことが分かる穏やかな雰囲気だった。


しかし、イエガンの姿を見ると少し驚いた表情を浮かべる。


「獣人の客とは珍しいな」


店主の言葉に、イエガンは気にした様子もなく席へ座る。


「珍しいかもしれんが、飯を食う客なのは変わらないだろう」


豪快に笑うイエガンを見て、店主は少しだけ表情を緩めた。


「違いないな」


イエガンは食事を頼みながら、自然な流れで話を切り出す。


「この辺りで、黒いローブを着た連中を見なかったか」


店主の手が一瞬止まる。


その反応を、イエガンは見逃さなかった。


「知っているようだな」


店主は周囲を確認してから、小さく息を吐く。


「最近、この辺りでも噂になっている」


「北の古い遺跡へ向かった連中だろう」


イエガンは静かに頷く。


「何をしていた」


店主は眉をひそめる。


「詳しいことは分からない。ただ、あいつらは普通の旅人には見えなかった」


店主は手元の布を握る。


「夜中に何かを運んでいたという話もある」


イエガンの目が鋭くなる。


「どこへ運んでいた」


店主は少し迷った後、答えた。


「北の山だ」


「昔、使われなくなった採掘場がある。そこへ向かったという話を聞いた」


イエガンは黙って考える。


神殿跡。

黒いローブ。

北の山。


新しい情報が一つ増えた。


店主は心配そうな表情を浮かべる。


「やめておいた方がいい。北の山には、最近妙な連中が集まっている」


イエガンは立ち上がる。


「忠告はありがたい。だが、行かなければ分からないこともある」


店主は何も言えず、ただイエガンを見送った。

集落を出たイエガンは、北へ続く道を見る。


まだ敵の姿は見えない。


だが、確実に近付いている。


黒いローブの目的。

白い紋様との繋がり。


その答えへ向かう道は、さらに険しい場所へ続いていた。


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