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最弱から始めるゴブリン成り上がり譚 〜進化する俺はもう雑魚とは呼ばせない〜  作者: AI+


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452/471

【第451話:託された調査】

翌日。


クロナたちは王城の一室へ集まっていた。

今回の戦いで判明したことを整理し、これからの方針を決めるためだった。


机の上には、ティナがまとめた資料が置かれている。

そこには人さらい組織についての情報だけではなく、白い紋様や裂け目に関する内容も記されていた。


「今回の件は、まだ終わっていません。人さらい組織の背後にいた存在。そして、クロナ様に刻まれた白い紋様。この二つについて調べる必要があります」


ティナは資料を確認しながら静かに話す。


クロナは腕を組みながら考えていた。

敵を倒すことはできた。


しかし、白い紋様の正体は未だに分からない。

自分自身に関わる謎だからこそ、放置することはできなかった。


「なら、俺が行く」


クロナは迷うことなく口にする。

ティナが顔を上げる。


「クロナ様が向かわれるのですか」


「ああ。俺自身に関係することだ。なら、俺が確かめるべきだ」


クロナの言葉に、イエガンはしばらく黙っていた。

大柄な体を黒い鎧で包んだ彼は、以前よりも落ち着いた雰囲気を纏っている。


「お待ちください」


イエガンが静かに口を開く。

クロナは視線を向ける。


「何だ」


「クロナ様が向かいたい理由は理解しております。しかし、今のクロナ様は以前とは違います」


イエガンは一歩前へ出る。


「クロナ様はグリムファング王国の王です。国を離れるということは、それだけ大きな意味を持ちます」


クロナは黙ってイエガンを見る。


その言葉は、クロナの考えを否定するものではなかった。

王としての責任を理解してほしいという、仲間からの進言だった。


「俺が行かなければならないと思っている」


クロナが答える。


「白い紋様は俺自身の問題だからな」


イエガンは頷く。


「そのお気持ちは分かります。ですが、全てをクロナ様一人で背負う必要はありません」


「なら、どうする」


クロナが問い掛ける。

イエガンは迷わず答えた。


「私が向かいます」


部屋の空気が静まる。

ティナは少し驚いた表情を浮かべる。


「イエガンさんが調査へ向かうのですか」


「ああ」


イエガンは頷く。


「クロナ様が王として国に残るのであれば、私が動くべきです。これまで何度もクロナ様に守っていただきました。今度は私が支える番です」


その言葉を聞いたティナが、静かに口を開いた。


「でしたら、私が向かいます」


イエガンが視線を向ける。

ティナは資料へ手を置いたまま続ける。


「白い紋様について調べるなら、私の解析が必要になるはずです。これまで情報を集めてきたのも私です」


クロナもティナを見る。


確かに、その判断は間違っていない。


ティナは今回の件で最も多く情報を整理してきた。

彼女が同行することは自然な選択だった。


しかし、イエガンは首を横へ振った。


「いや……先の調査は任せてしまったし、お前は少し働きすぎだ」


ティナが目を瞬かせる。


「イエガンさん」


「今回の件でも、お前はずっと情報を整理していた。クロナ様の力について調べるために、休む時間も削っていただろう」


イエガンは真剣な表情で続ける。


「今回は俺に任せてくれ」


その言葉には、いつもの忠誠だけではない。

仲間を気遣う気持ちが込められていた。


ティナは少し黙る。

そして、静かに息を吐いた。


「……分かりました。ですが、無茶はしないでください」


イエガンは小さく笑う。


「俺を誰だと思っている?」


クロナはそのやり取りを見ていた。


以前なら、自分が全てを決めていた。

自分が戦い、自分が答えを探し、自分が背負う。


それが当たり前だと思っていた。


しかし今は違う。

仲間たちは、自分の意思で動いている。


「イエガン」


クロナが呼ぶ。


「はい」


「任せる」


短い言葉だった。

だが、そこには確かな信頼が込められていた。


イエガンは深く頭を下げる。


「承知しました。必ず手掛かりを持ち帰ります」


ティナも頷く。


「私もこちらで必要な情報を整理しておきます」


クロナは二人を見る。


自分一人で全てを背負う必要はない。

それを理解することも、王として必要なことなのだろう。


こうして白い紋様の謎を追う役目は、イエガンへ託された。


クロナはグリムファング王国に残る。

そしてイエガンは、主から託された新たな役目を胸に、未知の情報を求める旅へ向かうことになるのだった。


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