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最弱から始めるゴブリン成り上がり譚 〜進化する俺はもう雑魚とは呼ばせない〜  作者: AI+


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422/430

【第421話:融合する災厄】

二体の異形が互いへ溶け合っていく。

黒い外殻は液体のように形を失い、巨大な塊へ変貌していた。

谷全体が異常な振動に包まれる。


ティナは唇を噛む。

融合が完了すれば何が起きるか分からない。

だが良い結果にならないことだけは確実だった。


「クロナ様!」


ティナが叫ぶ。


「止めなければ危険です!」


クロナは既に動いていた。

雷を纏った身体が一直線に飛ぶ。

空気を裂く轟音が響いた。


拳が黒い塊へ突き刺さる。

圧縮された力が内部で炸裂した。

周囲の地面が吹き飛ぶ。


しかし融合は止まらない。

むしろ黒い塊はさらに膨張する。

大量の目が表面に浮かび上がった。


イエガンも突撃する。

大斧へ全力の魔力を込めた。

青白い光が刃を覆う。


「止まれえええ!」


渾身の一撃が叩き込まれる。

衝撃波が谷を揺らした。

岩壁が次々と崩れ落ちる。


黒い塊が揺れる。

確かな手応えはあった。

だが融合そのものは継続している。


ティナは解析を続ける。

目まぐるしく情報が流れ込む。

額には汗が浮かんでいた。


そして気付く。

融合の中心部だった。

そこだけ反応が違う。


「クロナ様!」


ティナが再び叫ぶ。


「中心です! 代償の循環が中心へ集まっています!」


クロナの目が細くなる。

黒い塊の奥を睨み付けた。

確かに異様な脈動が存在する。


全ての代償。

全ての力。

全ての結果改変。


それらが中心へ集約されていた。


「核か」


クロナが笑う。


「なら話は簡単だな」


雷が激しく弾ける。

炎が渦を巻く。

影が黒い奔流となって集まった。


三つの力が重なり合う。

今までで最大の出力だった。

谷全体が震え始める。


ティナは息を呑む。

クロナの身体にも負荷が掛かっていた。

それほどの力だった。


「クロナ様。無茶は」


「今さらだろ」


短く返す。

その言葉にティナは苦笑した。

確かに今さらだった。


クロナは空高く跳ぶ。

巨大な黒い塊を見下ろした。

融合は最終段階へ近付いている。


無数の目が一斉に開く。

膨大な殺意が向けられた。

敵も危険を察知したのだ。


空間が裂ける。

黒い槍が現れる。

無数の亀裂が広がった。


全てがクロナを狙う。

だがクロナは止まらない。

一直線に降下した。


「消し飛べ」


拳が放たれる。

雷と炎と影が一つになる。

谷全体を飲み込む閃光が走った。


轟音が世界を揺らす。

黒い塊の中心部へ直撃する。

核へ届く一撃だった。


次の瞬間。

黒い塊全体に亀裂が走る。

今までとは比べ物にならない規模だった。


ティナの目が見開かれる。

イエガンも息を呑んだ。

確実に効いている。


だが。


亀裂の奥から。

さらに巨大な目がゆっくりと開いた。

それは今までの異形とは明らかに格が違う存在の目だった。


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