表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱から始めるゴブリン成り上がり譚 〜進化する俺はもう雑魚とは呼ばせない〜  作者: AI+


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
421/430

【第420話:見抜かれた循環】

谷中に開いた無数の目が不気味に瞬く。

破壊されたはずの箇所からも次々と再生が始まっていた。

異形たちの支配領域は拡大を続けている。


ティナは周囲を観察する。

再生速度は異常だった。

だが違和感もあった。


目が再生する度に、二体の異形の外殻が微かに明滅している。

本当に僅かな変化だった。


ティナは目を細める。

一度なら見間違いかもしれない。

しかし二度三度と繰り返されていた。


「クロナ様!」


ティナが叫ぶ。


「目の再生にも代償を使っています!」


クロナは空中で笑う。

ようやく面白い情報が出てきた。

そんな表情だった。


「つまり増やせば増やすほど自分の首を絞めるってことか」


「その可能性が高いです」


ティナは頷く。

無限に見えた再生にも限界が存在する。

それが見え始めていた。


その時だった。

谷中の目が一斉に開く。

数千の視線がクロナへ集中する。


直後に空間が砕けた。

黒い亀裂が蜘蛛の巣のように広がる。

逃げ場を潰すような攻撃だった。


クロナは正面から突っ込む。

雷を纏いながら亀裂を避ける。

常識外れの速度だった。


一歩踏み込む。

二歩目で加速する。

三歩目には異形の目前へ到達していた。


拳が放たれる。

轟音が谷を揺らした。

一体目の異形が大きく後退する。


傷はまだ浅い。

だが胸部の亀裂は確実に広がっていた。


イエガンも続く。

大斧を両手で握り締めた。

全身の筋肉が膨れ上がる。


「消えねえなら削り切るだけだ!」


大斧が振り下ろされる。

山を両断するほどの一撃だった。

異形の肩へ直撃する。


結果は改変される。

傷は消える。

それでも代償は積み重なる。


外殻の明滅が激しくなる。

先程よりも不安定だった。

亀裂もさらに増えている。


ティナはその変化を観察する。

そして新たな事実に気付いた。


「違います」


小さく呟く。


「どうした」


クロナが問い掛ける。


「二体とも同じ代償を共有しています」


クロナの動きが止まる。

イエガンも目を見開いた。


ティナは異形たちを指差す。

一体目へ攻撃を加える。

すると二体目も同時に明滅する。


逆も同じだった。

明らかに連動している。


「別個体ではありません」


ティナは確信していた。


「二体で一つです」


その言葉と同時に。

二体の異形がゆっくりと動く。


互いへ向かって歩き始めた。

まるで引き寄せられるようだった。

不吉な予感が谷を包む。


クロナは舌打ちする。

嫌な流れだった。

敵もこちらの攻略を理解し始めている。


二体の異形が接触する。

外殻が溶けるように混ざり合った。

膨大な魔力が周囲へ放出される。


谷全体が激しく揺れる。

岩壁が崩落する。

空そのものが軋んだ。


ティナの顔色が変わる。


「まずいです」


異形たちの融合が始まっていた。

それは明らかに最後の切り札だった。

そして止められなければ、今までとは比較にならない怪物が誕生する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ