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【第393話:帰路の思索】
森の中を一人で進む。
木漏れ日が地面へ落ちていた。
鳥の鳴き声が聞こえる。
数日前までの緊張が嘘のようだった。
ティナは歩きながら考えていた。
今回得た情報についてだ。
観測者。
各地へ広がる研究施設。
人体実験。
そしてグリムファングへの関心。
どれも軽視できない。
むしろ危険度は高い。
帳簿の内容も思い返す。
あれは偶然集めた情報量ではなかった。
建国以前から監視している。
そう考える方が自然だった。
ティナの表情が僅かに曇る。
クロナの姿が脳裏に浮かんだ。
今のクロナは強い。
誰よりも強くなり続けている。
だが強いからこそ目立つ。
強いからこそ狙われる。
今回の組織もその一つだろう。
未知を求める者たち。
ティナは小さく息を吐く。
考えるべきことは多かった。
だが焦る必要はない。
情報は持ち帰れた。
そして敵の一端も掴めた。
完全な成果と言っていい。
森を抜ける風が吹く。
ティナは歩みを止めなかった。




