表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱から始めるゴブリン成り上がり譚 〜進化する俺はもう雑魚とは呼ばせない〜  作者: AI+


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
383/476

【第382話:仮面の奥】

砦の中で激しい金属音が響き続けていた。

兵士たちと黒装束が各所でぶつかっている。


狭い通路へ火花が散る。

怒号と足音が交錯していた。


その中心で、ティナと仮面の男が向かい合う。

互いに距離を測っている。


仮面の男は細身だった。

黒布の隙間から見える首筋も細い。


だが動きには無駄がない。

積み重ねた鍛錬が見えていた。


白い仮面には細かな傷が刻まれている。

長く使い続けてきた跡だった。


ティナは静かに呼吸を整える。

男の重心移動を観察する。


仮面の男が短剣を回す。

刃先が鈍く光った。


「名を聞いてもいいか」


不意にそう言った。

戦闘中とは思えない落ち着いた声だった。


ティナは少しだけ目を細める。


「……聞いてどうするんですか」


短く返す。

男は肩を竦めた。


「強者の名くらいは覚えておきたい。次に会う時のためにな」


淡々とした言い方だった。

冗談を言っている空気ではない。


ティナは答えない。

代わりに一歩踏み込む。


床を蹴る音が響く。

一瞬で間合いを詰めた。


掌底が仮面の男へ迫る。

男は身体を捻って回避する。


だが完全には避け切れない。

衝撃が肩を掠めた。


黒装束の布が裂ける。

男が小さく息を漏らした。


ティナは追撃する。

回転と同時に蹴りを放つ。


仮面の男が腕で防ぐ。

鈍い衝撃音が響いた。


男は後方へ滑る。

その足が床を削った。


数秒の沈黙。

互いに視線を外さない。


その時だった。

背後で兵士の叫び声が響く。


別の黒装束が実験資料へ手を伸ばしている。

机ごと焼き払おうとしていた。


白衣の女が目を見開く。

思わず前へ出かける。


ティナは即座に動く。

だが、その瞬間。


仮面の男が前へ出た。

進路を塞ぐように立つ。


「行かせるわけにはいかないな」


低い声だった。

ティナの目が鋭く細まる。


男は短剣を構える。

仮面の奥の視線だけが静かに揺れていた。


そして次の瞬間。

男の身体から黒い魔力が溢れ始める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ