収死隊の武術訓練とは?山賊の首
鉄牛が率いる警備小隊は、最近、私が特に気にかけている部隊の一つだった。
現在、この小隊には二十人ほどの兵士が所属している。
その半数ほどは、もともと私の収尸総隊にいた者たちや、負傷から回復して戦えるようになった兵士の中から選び出した者たちだ。いずれも、以前から様子を見てきた者であり、体力や戦闘能力も比較的優れている。
残りの半数は、二、三の山賊集団から加わった者たちだった。
彼らはもともと別々の集団に属していたため、互いに顔見知りではあっても、一つの部隊としてまとまっているわけではない。中には腕の立つ者もいるが、山賊時代の習慣が抜けきらず、集団の規律に馴染めない者もいた。
私はそのことを承知していたので、鉄牛に警備小隊を任せた後も、時折、自分の目で様子を確かめるようにしていた。
その日も、私は鉄牛のいる陣営を訪れた。
近づくにつれて、兵器のぶつかり合う音や、兵士たちの掛け声が聞こえてきた。
中に入ると、二十人ほどの兵士たちが、それぞれ思い思いに訓練していた。
長槍を振り回す者もいれば、刀を握って相手と打ち合う者、盾を構えて防御の練習をする者もいる。二人一組で木の棒を打ち合わせている者たちもいた。
一見すれば、皆それなりに熱心に鍛錬しているように見える。
だが、しばらく眺めていると、すぐに違和感を覚えた。
訓練はしているものの、どこか遊び半分だった。相手を打ち負かすことばかりに気を取られ、仲間の動きに気を配る者は少ない。腕に自信のある者ほど、自分の力を見せつけようとしているようだった。
また、訓練が終わると、何人かはそのまま好き勝手に過ごしていた。
本来なら、警備小隊の兵士も収尸総隊の一員である。警備や訓練だけをしていればよいわけではない。必要に応じて死体の回収や物資の運搬など、隊全体の仕事にも協力しなければならない。
ところが、彼らの中には、そうした仕事を自分たちの役目ではないと考えている者がいた。
特に、老陳から作業の指示が出ても、聞こえないふりをしたり、適当な理由をつけて動こうとしなかったりする者がいるという。
私はその場では何も言わず、しばらく彼らの様子を観察した。
やがて私に気づいた鉄牛が、数人の兵士を連れて駆け寄ってきた。
「頭、来てたのか!」
鉄牛はいつもと変わらない大きな声で挨拶した。
私は軽くうなずき、彼の小隊を見回した。
「訓練の様子は見た。だが、少し話がある」
私の表情から何かを察したのか、鉄牛は頭をかきながら、周囲の兵士たちを集めた。
私はまず、訓練そのものについては否定しなかった。
彼らの中には、以前よりも動きが良くなった者もいる。武器の扱いに慣れ、体力もついてきている。鉄牛なりに工夫して指導していることも分かった。
しかし、それだけでは足りない。
「お前たちは、自分たちが何のためにこの小隊にいるのか、分かっているか?」
私は集まった兵士たちを見渡した。
「警備小隊という名前がついているからといって、警備と訓練だけをしていればいいわけではない。我々は収尸総隊の一員だ。隊の仕事があれば、全員で協力する。それが基本だ」
私は、老陳からの指示に従わない者がいることを伝えた。
「自分の腕に自信があるからといって、他の仕事をしなくていい理由にはならない。老陳の指示を無視するのも同じだ。彼は隊全体の仕事を取りまとめている。お前たちが勝手に指示を選り好みすれば、他の者に余計な負担がかかる」
何人かが気まずそうに視線をそらした。
中には、不服そうな顔をしている者もいた。
私はその様子を見て、これ以上、言葉を重ねる必要はないと判断した。
「この小隊に残りたいのなら、決められた仕事をきちんとやれ。訓練も、警備も、収尸総隊の仕事も、すべて我々の務めだ。自分に都合のいいことだけを選ぶ者は必要ない」
そう告げた後、私は老陳から報告を受けていた三人を呼び出した。
三人はいずれも、何度も作業の指示に従わず、他の兵士たちにも悪影響を与えていた者たちだった。注意を受けても態度を改めず、周囲の者が仕事をしている間も、自分たちは別だと言わんばかりに振る舞っていた。
私は三人に、収尸総隊から外れるよう命じた。
つまり、解雇である。
三人は最初、不満をあらわにした。自分たちは戦えるし、警備小隊にも必要な人材だと言いたげだった。
しかし、私は判断を変えなかった。
腕が立つかどうかだけが、ここに残る条件ではない。仲間と一緒に働く意思がない者を置いておけば、いずれ組織そのものが崩れてしまう。
三人は私の態度を見て、これ以上言い争っても無駄だと悟ったのだろう。最後まで納得した様子ではなかったが、やがて荷物をまとめ、陣営を去っていった。
その後、鉄牛が私のところへやってきた。
彼は武芸高い三人の部下のことを気にかけているようで、できればもう一度だけ機会を与えてほしいという気持ちを口にした。
私は鉄牛の話を聞いたうえで、静かに首を横に振った。
「鉄牛、お前が仲間をかばいたい気持ちは分かる。だが、今回のことを軽く考えてはいけない」
私は彼の目を見た。
「今は三人だけの問題に見えるかもしれない。だが、彼らの態度を放っておけば、他の者も同じことを考えるようになる。自分の好きな仕事だけをして、嫌な仕事は他人に押しつける。それが当たり前になれば、誰も老陳の指示を聞かなくなる。そうなれば、収尸総隊の仕事は回らなくなるぞ」
私は少し間を置いてから、さらに続けた。
「警備小隊だけが強くなっても意味はない。お前たちが他の隊員と協力できなくなれば、隊全体がばらばらになる。最後には、今まで積み上げてきたものまで崩れてしまう」
鉄牛はすぐには返事をしなかった。
普段なら勢いよく反論するところだが、今回は違った。彼は周囲の兵士たちを見回し、それから自分の手を見つめていた。
やがて、私の言葉の意味を理解したように、ゆっくりとうなずいた。
「分かった。俺がきちんと見ておく」
私はそれ以上、細かく指示を出さなかった。
鉄牛には、まず自分の小隊をまとめることを覚えてもらわなければならない。訓練の方法や戦い方については、これまでのように彼に任せればいい。だが、隊長として仲間をまとめ、規律を守らせることも、同じくらい大切な仕事なのだ。
それからしばらくの間、警備小隊の様子は少しずつ変わっていった。




