大丈夫か?
オレは、菜美ってやつに言われるがまま買い出しの付き合いをした。
そして、当たり前のようにうちに上がり込んで、当たり前に置いてあるエプロンをして、手際よくハンバーグを作り出した。
…
母ちゃんかよ?
「ほら、早く手を洗って着替えなさいよ?」
…
言うことまで母ちゃんみたいやん。
言われるがまま、着替えて手を洗った。
「テーブル拭いてー」
「あ、はい…」
言われるがまま、テーブルを拭いてソファーに転がっていたら、いいにおいがしてきた。
「はい、完成〜」
みると…
「おお〜、オレの大好物の半熟たまごまでのってるやん!」
「まぁね。じゃ、こっちのは浩ちゃんのだからね。こっちは食べないでよね。」
と、またも手際よくラップをかけて、じゃあねと帰って行った。
兄貴の目玉焼きは、きちんとよく焼きされていた。
…
なんなんだよ…あいつ。
生徒会長やってて、大学生の兄貴の生徒って…意味がわかんねーっての‼︎
ただ…
ひとつわかったことがある。
菜美ってやつは、料理がうまいってことだ。
ハンバーグを食べ終え、さっき調理してた調理器具を洗い物をしようと台所へと向かった。
⁉︎
菜美って人…洗い物いつ終わらせたんだよ⁉︎
すごすぎ‼︎
さすが生徒会長だぜ。
おかげさまで、少ない洗い物だけを済ませて、風呂へと直行した。
さっぱりして、冷蔵庫にジュースを飲みに行こうとしたところで、兄貴が帰ってきた。
「今日は、ハンバーグなんだって?菜美ちゃんは、やっぱり最高だよなぁ」
なんて言っていやがる。
やっぱり二人って…
「兄貴…やっぱり兄貴と菜美って人付き合ってんだろ?」
オレの質問に兄貴は、
「なんで?そんなわけないだろ。たぶん。いや、いいえはい。てか、だって菜美ちゃんは……やっぱりなんでもない」
と、慌てた。
そして髪をかきあげた。
兄貴は、なんかあると髪をかきあげる癖がある。
あやしい。
そもそも、なんでそこ隠すんだ?
てか、それって付き合ってる?
意味がわからないが、二人は多分付き合っているのだろう。
あ、わかった。
兄貴…愛海ちゃん推しってこの前言ってたな。
まさか…二股しているんじゃ⁉︎
いや、それは…さすがにひど過ぎね?
手料理つくってもらっといて、浮気?
それは人としてどうよ?
菜美さんかわいそ。
なんて思っていた別の日、兄貴が柚湖さんと一緒に並んで歩いていた。
⁉︎
兄貴…
なにしてんだよ⁉︎
てか、あの三人全員と付き合ってる⁉︎
その日の夜、兄貴を問い詰めてみた。
するとまさかの全員彼女だと言い出した。
でも、それは軽めの彼女だと意味のわからないことを言い出した。
軽めの彼女だと?
じゃあ、重めの彼女ってなんだよって聞いたら、笑っていた。
意味わかんねー。
てか、三人は三股されていることを知っているのだろうか?
同じクラスの愛海さんに聞いてみることにした。
「愛海さんは、兄貴の彼女なの?」
って。
そしたらまさかの
「そうだけど」
って言ってきた。
だから、
「兄貴が三股してるのは、知ってる?」
と、聞くとまさかの
「もちろん」
って返ってきた。
え、兄貴って…
どんだけモテるんよー‼︎
しかも、三人とも美人じゃんかよ‼︎
どうかしてる。
おかしいって。
てか、なんでそんな淡々と愛海さんは、こたえてくるんよ?
わたしは、三番目でもいいのってやつ⁉︎
いや、よくないって‼︎
兄貴に直接言っても笑って終わるだけ…
てか、兄貴の本命は…
たぶん愛海って人か柚湖って人だな。
で、たぶん菜美は…便利屋的家政婦ってところだろう。
学校では、こんなにも人気のある生徒会長なのに、プライベートでは、三股彼氏に尽くす系女子なんて…
この学校の男子生徒が知ったら、兄貴は刺されるんじゃないか?
刺されちまえよ、そんなヤツ。
…
いや、それはやめてもらいたい。
そして、三股もやめてもらおう。
とりあえず作戦会議が必要だ。
脳内の小人を緊急招集した。
だがしかし、集まらない。
集まらないとは、そもそもアイデアが浮かばないということだ。
小人を招集するためにオレは、甘いものを口に…
入れない。
そういえば、今は学校だった。
兄貴が刺される前に、オレが先生に指されてしまう。
先生の話をきちんと聞かないと、この前のように雑用委員会会長に任命されかねない。
まぁ、別にそんな会長名ないけど。
続く。
——
いや、そもそも続いて欲しくない案件だか、仕方ないか。
続く。




