四二劇目 「最終戦線全体像!?」
最終戦線の幹部や成り立ちをちょっと説明します。
俺は思わず眉間にしわを寄せ、声を大にしてヤンスに怒鳴りつけた。
「ごめんでやんす。忘れてたでやんす!!てっきり玩具かと」
ヤンスは頭をペコペコ下げながら、事の重大さに気づく。
この流れで玩具ってなんだよ。
やる気あんの?
バカなの?死ぬの?
俺は主人公として、作者にツッコミを入れた。
もしかしたら本当にヤンスが忘れていたのかもしれないが、作者に八つ当たりしないとやっていられない。
チコにもしもの事が起こったらと考えると。
俺は自分の心の中に、ドロッとしたモタモタした不衛生なものが生まれて、体重くなるような感じがした。
「早く。早く、助けに行こう!!」
「こっちでやんす!!」
ヤンスが先導し、ライブハウスに向かった。
☆
囚われの街の中央を走り抜ける俺たちには二つの反応があった。
興味津々に俺らを目で追いかける者と、全くの無関心を決め込む者。
前者は心の自由が利く、娯楽提供者だろう。後者は猩々緋色煌石を埋め込まれた強制労働者だ。彼らは恩知らずの猫のように、一切の感情をその表情から消し、抑揚なく力仕事や雑用に勤しんでいた。
「こんな道のセンターを爆走して、最終戦線に見つからないナリか?」
ベルがワンレンの髪を指で掻き上げながら、尋ねた。
「大丈夫でやんす。この囚われの街にいる構成員は、幹部のブーチャカの取り巻きだけでやんす。他は、別の幹部の元、別の区画にいるでやんすから、滅多に来ないでやんす」
なるほど。
忘却街の一画、囚われの街と呼ばれているこの場所は、“巨漢児”ブーチャカが、謂わば『担当している区画』なのか。
その目的はギルドバトルで負けた忘却街の人々に雑用作業をさせて、最終戦線が別のギルドバトルに集中する為の『運営担当』。
最終戦線の幹部である“スク水死霊魔術師”ジェリカは、ギルドバトルで負けた人々に猩々緋色煌石を埋め込む『人手確保担当』、同じく幹部の“ショタ腐肉喰”マリオンは、第三言語が効かない体質を利用しての『マリアベル討伐担当』といった具合か。
マリオンは『泥人形を操る』スキルで構成員の部下は居なかったが、ブーチャカは囚われの街を運営する為の取り巻き構成員が与えられている。
娯楽提供はギルドバトルを終えた、他の構成員の労いボーナスのようなものか。そしてその上に“ヘッド”残酷ピエロが鎮座している。
把握。
敵の全体像が、だんだん見えてきた。
てか、随分ちゃんとした組織だな。
ファンタジーじゃないの?これ。
おっぱい描写まだかよ。
俺は今までの情報を整理して、主人公としてガッチガチな組織図に読者が飽きないか少し心配しながら、心の中で呟いた。
「着いたでやんす!!ここがライブハウスでやんす」
そして俺らは、敵の巣窟の中に入っていった。
次回はいよいよチコがブーチャカに復讐をするチャンスが訪れます。




