一七劇目 「電光石火”雷皇”の弱点とはっ!?初ギルメン獲得っ!?」
バトルの謎解説回です。
「で、電気?」
「信号ニャって??」
俺を見護る二人は一つの言葉を分け合い、俺にその言葉の続きを促した。
「そう。電気信号。いみじくもアスカが教えてくれた。流石人を束ねる軍曹。ヒントの出し方も絶妙だったぜ」
「わ、分からないニャッ。獣人でも分かるように教えてニャ」
「男装娘に分かるように頼むっ!!」
俺は手に持ったペットボトルを放り、軽く頷いて了承の意を表す。
「そんな難しいことじゃない。アスカは自分の脳信号では無く、電気を操るスキルを使って、直接脚に命令をしていたんだ。思考する電気信号の使い方とは違う電気信号だ。確かに予兆なんてほぼ0だな」
「ニャ、にゃるほど」
「だから筋肉の収縮もそのスピードも、通常のそれとは全く別次元。さすが”雷皇”。凄いやつだ」
二人は感嘆したが、俺は「だが」と続きを述べる。
「弱点もある。今の技は視覚に頼る事が出来ない。途中変更が効かない特急電車みたいなもんだ。あらかじめ移動する場所とその後に斬るという単純な命令を筋肉に送り、電気を送る。アスカはその身体を次の目的地に移動し斬撃を与える間は無意識に近かったはず。それだけの動体視力が無いはずだしな」
「だから一番死角の多い、背後を取るしかなかったニャか!?」
と耳をピンとさせて、手を打つリリラル。
アスカはしばらく身構えていたが、フッと笑い、身体の力を抜いた。
☆
「ご名答。さすがダーリン。私が見込んだだけの事はある」
手を叩きながら、アスカはそのレイピアを鞘に戻した。
「え?もう終わり?」
「ふふっ、そうしらばっくれなくても良い。塩水を掛けたという事は、もう部分的に細かい信号を自分の筋肉に伝える事は出来無い。電導率が違うからな。分かっているだろう」
それに俺は舌を出して「あ、やっぱバレてたか」と白状する。
「でもその電流レイピアだってあるしまだ勝負は分からないだろ?」
「私の切り札を見破られてしまっては、どちらにしろ勝ち目は無い。残酷ピエロにも途中で勘付かれ、敗北した。種の知れた手品では、やはりS級には勝てんからな」
と言って艶やかな濡れた身体のまま俺に近づいてくる。
やべ、色っぺー。
「ギルドバトルは私の負けだ。煮るなり、焼くなり、服を脱がすなり、ベッドに連れ込むなり、彼女にするなり好きにして良いんだからね?」
今までと違う軍人っぽい語尾から、男にハマる語尾に変える。
く、女子力高え。
いや、これ女子力じゃねえし。
そしてアスカのアピールは止まらない。
軍帽を脱ぎ、軍服の第一ボタンを外す。上目遣いで俺を見ながら、さっきまでの軍曹アスカから一人の女になって俺の懐に入ってきたのだ。
塩水で濡れた唇と、顔に張り付く髪の毛がなんとも言えない「シズる感」を際立たせる。
さっきまでは気がつかなかったが、シャンプーの良い香りもする。
そこで俺は彼女の言い放ったセリフにようやく気づいた。
「いや、後半からおかしくなってるぞ!!しかも最後のやつはお前の勝利者権限だろ!!」
「ち、バレたか」
指を鳴らすアスカ。
もろバレだ!!
俺は全力で突っ込むと、見守っていた二人がずずいと俺の前に出てアスカとの距離に割り込む。
「負けたんだから、出すぎた真似は止すニャ!!」と耳をクルクルさせながら、ピョンピョン跳ね、プンプンと主張するリリラル。
「うむ、その通り!!ザゥはすでに私の・・・い、いや、なんでも無い」と一度胸をタユンとさせて、最後の方にまたゴニョゴニョと言葉を濁し赤面するマリア。
「何、貴様らも立候補者か。しかしその様子。どうやら私のように、しっかりと想いを伝えらていないようだな」
と若干勝ち誇ったように胸を張り、ブルマのゴムをパチンと弾くアスカ。
一体、君らは何の話をしてるんだ?
時々火花を散らす方向性が解らなくなる。
残酷ピエロを倒す為に頑張ってるんじゃないのか君らは?
「ダーリンッッ、愛しているぞぉぉ!!!」
「やめるニャ!!ズルいニャ!!」
「そうだぞ!!抜け駆けは許さん!!」
三人がギャーギャー言い合いを続ける。
まぁ、なんだか楽しそうだから良いか。
俺は字の通り三人集まった姦しい女子たちの話を、右から左に受け流しながら時が過ぎるのを待った。
次回は、ハーレムネタ回です。
そしてストーリーは片翼天女の話に移行します。




