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一五劇目 「初ギルドバトル。俺が負けたらブルマ軍曹の彼氏確定っ!?」

「我がギルド“集団武苑(マスゲーム)”の所有地に何か用か?」

はっきりとして聞き取りやすい彼女の発音は、対集団に命令を聞かせる事が無意識に身についているのだろう。身が引き締まるような辛辣な響きがあった。



ドSだな。



彼女の手に持っている騎乗鞭が良く似合っている。

その他にも、彼女の腰にはレイピアが帯刀されていた。

「俺らは残酷ピエロを倒そうと、この街の名のあるスキルオーナーを自分のギルドのメンバーに引き入れるつもりだ」

俺が自分の目的を告げると、ブルマ軍曹ことアスカは、その言葉にフッと笑い「残念だったな」と応えた。

「私は一度、ヤツに負けている。見た所、貴君らは忘却街の者か?だとしたら私が仲間になる事は出来ない!!ギルドバトルの勝利者権限でそう強制されているからな」

「や、やっぱりニャ」とリリラル。

「むぅ、思った通りだな」とマリア。

俺はもう一度自分の今さっき決めたギルド名を名乗り、同行者の二人とは違うギルドという事を明確に示す。

「新しいギルドなら問題無いだろ?もしギルドバトルで俺が勝ったら、仲間になってもらおう!!」

俺はそう言い放つとアスカは一度思考し、首を縦に振った。

「良かろう。では私が勝った場合は私の勝利者権限で、貴君にもある事をしてもらおう」



初めてのギルドバトル。



土地も仲間も何も持たない俺が出来るのはそのくらいだ。

何かを賭すというに緊張感が高まり、手に汗を握る。



「な、何が望みだ!?」



俺が聞き返すと「そんなに大変な事ではない」とアスカは笑う。

「もし私が勝ったら、貴君には私の殿方になってもらう!!」



☆



「・・・・・・・・・・・・・・・・・にゃ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・む?」



と俺よりも後ろの二人の方が、それに敏感に反応する。

「え?なんで?」

ギルドバトルがもっと私利私欲に満ちた支配欲の戦いだと思っていた俺は、肩透かしを食らったかのような心地だった。

「ふふふ、なぜとな?それはな、一目惚れだ!!!!!!!!」

と俺を指差しながら堂々とそう叫んだ。

「ニャに??そんなのダメにゃ!!」

「そうだ!!絶対に許さんぞ!!」



なんで君らが言い返してんだよ。

しかもなんでそんな顔が赤いんだ。



赤面しながら言い返す二人に以前と堂々たる態度で、アスカは不敵な笑みを浮かべ

「私はこう見えても、女子力は高いぞ!!」

と唐突に自己アピールを始めた。

「掃除洗濯料理はお手の物、彼氏に尽くして尽くして尽くしまくるタイプだ」

いや、その外見からは全く予想出来ませんけど。

「それに殿方のツボも押さえているつもりだ。家では常に裸エプロンで居てやる!!」



「マ、マジか!!!!」

確かにそれは嬉しいかもしれない。

ドSのSはサービスのSだったんだな?



俺が少し浮ついた気持ちになる。

すると後ろの二人から、何やら殺気のようなものを感じ始めた。

「わ、私だって・・・頼まれれば裸エブロンくらいするニャ」

「お、俺もだ・・・甘く見ないでもらおう」



いや、何張り合ってんだよ。



「だったらこれはどうだ?『あなた、お風呂にする?ご飯にする?それとも・・・あ・た・し?』」

ど定番のセリフを口にするアスカ。

しかもなぜか一瞬、裸エブロンになったような。気のせいか。

「ん・・・でも今のって・・・」

と俺はある事に気づく。



いつの間にか結婚してるじゃねえか!!!!!!!!!



俺は心の中で突っ込むと、なぜか後ろの二人が

「確かに女子力高いニャ」

「むぅ・・・、きょ、強敵の予感が」

などと言っている。

俺は三人が互いに火花を散らしている意味が、全く分からなかった。



というか、君ら。

女子力の意味分かってるか?



閑話休題。

そんな条件でアスカが仲間になるのなら、俺としてはむしろ好都合。

「分かった!!その条件で良い」

後ろの二人がアタフタしているのを無視し、俺は身構えた。

「それじゃあ、ギルドバトル開始だ!!」

「よろしい。今のうちに私の可愛らしいアダ名の呼び方でも考えておくんだな、ダーリン」



へー。

負けたらダーリンって呼ばれんだ、俺。



「それは却下だ!!!!」


いよいよギルドバトルが開始された。

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