第五話
皆での話しあいが終わり、吉継が遊戯に参加しないって決まり家康は喜びを隠せなかった。
それに比べて三成は一番頼りになる者が近くにいない、それだけならまだしも周りの味方は味方と言えるような者ではない者たちしかいない。
ため息をつくばかりではなく、胃や頭がきりきりと痛む。自然と顔はしたばかりみてしまうものだ。
「遅れてすまぬ、三成」
聞きなれた声で名前を呼ばれ、ふと顔を上げるとそこには自分が待ち焦がれていた人物がいた。
「吉継」
待ちに待った者の到着。あまりにも嬉しくて、自然と顔は上をみてしまうものだ。
「さっき、僕にあんなに怒ったくせに」
このときばかりは地獄耳の三成も、秀秋の言葉など聞こえない。
「三成、さっそくだが今までの話をしてくれ」
武将たちの集まりも終わり勝負のつけ方も決まり、ひとまず落ち着いた皆。
関ヶ原まで長旅してきた者たちもいるため、今日は一日休むことになった。
だが、そこでゆっくり休んでいる者などいないだろう。
初めてする遊戯で勝負が決まるなら、それに一生懸命取り組むのが当然であろう。
なにせ、大勝負なのだから。
ここに集まる武将たちもそうだった。
ある一つの部屋に四人の武将が集まっていた。
その部屋の中に入っていった武将とは
石田三成、大谷吉継、宇喜多秀家、小早川秀秋。
所謂、西軍に所属する者たちである。
「この戦は負けられぬ」
三成は大層奮起している様子である。
それもそうだろう。
この戦いに負ければ、豊臣が危ないのだから。
豊臣に仇名すものは、全て排除することが三成自身の仕事と思っているだろう。
「だが、遊戯とて戦であるぞ。戦略が必要だ」
「そうだよね~。そうだと思うよ。なぁ、秀秋ちゃん!」
真っ赤になった顔と酒瓶を片手に体を揺らしながら、強引に秀秋と肩を組んだ。
もうすっかり出来上がってしまっている。
「秀秋ちゃん?何、それぇ…」
涙目になりながら秀家に問うが、全く聞いていないので無意味である。
「宇喜多殿、酒はほどほどに。して、どのような戦略に致す」
「うぬ。遊戯で勝つ方法は経験を積むこと、そして遊戯のことを熟知することであろう。今一度、遊戯の内容を確認しておくことだ」
三成は大層自信に満ち溢れながら答えたが、吉継は驚いている。
「確かに、三成の言う通り。されど、今は経験を積む程の時間も遊戯を熟知するほどの時間もない」
「相手が素人でなければそうであろう。だが、素人同士であれば遊戯について熟知している方が勝つに決まってある。これ以外に最善の方法があるのか?」
質問しておきながら、これ以外はないと言いたい口ぶりである。
「ある」




