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【完結】流星の星霊術士  作者: 折尾リク
五章 流星の星霊術士
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流星の星霊術士

 四本の光の柱……。これなら外界からの力の供給を断てる!


 僕はデミウルゴスの方を見つめ、ニヤリと不敵に笑った。


「なんだ……!? この光は? なに笑っていやがる!」


 ヤツは僕の態度に激昂し、その動きを止めた。ヤツの意識が僕に集中する、そこに――。


「アルテミス、主砲撃てっ!」


 メグがアルテミスを操作し、ヤツに主砲を放つ。アルテミスの駆動音すら、激昂したヤツの耳には届いていなかったようだ。


「そんなもの、絶対防御障壁の前には無駄……っ、何!?」


 アルテミスの主砲は、ヤツの絶対防御障壁を木端微塵に破壊した。


「お前の絶対防御障壁チートとやらも、僕たちのカレンの結界より弱いらしいな!」


 その言葉を聞いたヤツはさらに激怒し、メグを狙って巨大な火球を放った。


「させませんわ!」


 ヤツの火球を、カレンの真の絶対防御障壁(結界)が防ぎきる。そして、アルテミスの第二射がヤツに向けて放たれた。


「絶対防御障壁は何度でも張れるんだよ!」


 そう言い張ったヤツだが、今度は絶対防御障壁が展開されず、アルテミスの主砲がまともに直撃した。


「ぐおおおおおおお!」


 激しい爆発と煙が辺りに立ち込める。それが晴れた時、ヤツはこの戦闘で初めて傷を負っていた。


「モブの分際で、俺の与えた知識アルテミスだぞ……。勝手に使ってんじゃねぇ!」


 怒り狂うヤツに、僕、ステラ、アランで一斉に連携攻撃を仕掛ける。


「クソッ、クソッ、なんでMPが回復しねぇんだ!」


 四魔将による結界が、外界からのエネルギー供給を完全に遮断しているからだ。


 魔人国での連携訓練、そしてそこにアランが加わった波状攻撃により、デミウルゴスの顔に明らかな焦りの色が浮かび始める。僕たちは次第に優勢になっていく。


「クソモブどもが、卑怯だぞ! 俺は一人なんだぞ!」


「信頼し合える仲間を作らなかったお前の自業自得だ! なぜそれが分からない!」


「知るかよ! これは『俺の物語』なんだぞ! モブはモブらしく、主人公の俺に黙って従っていればいいんだ!」


 今の言葉……こいつ、やっぱり佐藤刃か……!?


「どうしようもないクズね、あんた!」


 ステラの鋭い斬撃が、ヤツの肌を深く引き裂く。


「背中を預けられるのは、信頼し合っているからこそだ。お前には難しすぎたようだな?」


 アランが不敵にヤツを煽る。一度は敵対したアランだけど、今の僕たちには、本物の絆があるんだ!


「クソッ、俺がこんな無様を……、見るんじゃねぇえええ!」


 帝都の上空、いや、世界中の夜空に映し出されていた映像魔法。それが限界を迎えて弾け飛び、まるで無数の流星のように煌めいた。


 その時、全世界の人々の想いが一つになった。


 人々を支配し、悪逆非道を繰り返す邪神デミウルゴスを倒してくれ、と。


 王国で、魔人国で、帝国で、人々はその流れ星に祈りを捧げる。


『アスターたちに勝利を』


 ***


 その中の一人に、ブラーエもいた。


 負傷していた彼は王城の窓辺に寄り掛かり、夜空を見上げて呟く。


「流れ星に祈るなんて柄じゃないが……勝ってくれ、アスター・フォーマルハウト。人々の願いを叶える流れ星、――()()()()()()()よ!」


 ***


「くそ、モブどもが、覚えていろよ!」


 ヤツが背を向けて逃走を図る。絶対に逃がさない、こいつはここで仕留める!


「届いたよ、みんなの想い! みんなの願いの力を遥斗に!」


 美香の疑似奇跡が世界中の願いを束ね、奔流となって僕の身体に流れ込んでくる。


「ふっ、逃がさん!」


 駆け付けたクロの影の星霊術が伸び、逃走しようとするヤツの動きを一瞬だけ縛り付けた。


「それも、俺が与えた技術だろうがああああ!」


 クロに対して半ば狂乱した悲鳴を上げるデミウルゴス。――その決定的な隙を、僕は見逃さなかった。


北極星ポラリスよ! 邪神を打ち倒し、人々を導く光となれ!」


 僕は世界中の人々の願いが籠った一撃を、ヤツに向けて全力で振り下ろした。


 眩いばかりの極光はオーロラとなって天を舞い、ヤツを真っ二つに一刀両断する。


「ぐああああああああああ!!」


 ヤツは圧倒的な光に包まれ――その光が消え去った時、跡形もなく完全に消滅した。


「やったのか……?」


 ヤツの邪悪な気配は、もうどこにも感じられなかった。


「やったー、勝ったよ!」


 僕の元に、みんなが笑顔で駆け寄ってくる。僕はそれに応えるように、深く息を吐いて微笑んだ。


 カストル皇帝、僕たち勝ちましたよ。世界を、守り抜きました。


「見て、朝日だ!」


 邪神の支配という、人々の長かった夜が明ける。


 僕たち、いや、世界中の人々の勝利を祝福するように、払暁の光が世界を優しく照らし出していた。

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