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【完結】流星の星霊術士  作者: 折尾リク
五章 流星の星霊術士
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その後

 すべての元凶たるデミウルゴスを倒し、戦いが終わったことにより、世界中の人々が一つに繋がった。王国、魔人国、帝国は、これまでのわだかまりを解消し、共に歩み始めた。


 僕たち星霊研究部の面々はというと……。


「うーん、アスターくんのその表情いただき!」


 パシャリ。メグは帝国で買ったカメラが気に入ったようで、独自に改造を施していた。


「ちょっと、メグ! アスターに引っ付きすぎよ、離れなさい!」


 ステラは相変わらず、嫉妬深いという感じだ。そこが可愛いんだけどね。


「遥斗、遥斗! 週末ピクニックに行こうよー!」


 美香はメグ以上に距離が近い。そんなに近いと……。


「みぃーかぁー! 離れなさーい!」


 ステラが美香を引きはがす。いつもと変わらない平和な日常だ……。


 だが、今日はそれを揺るがす大事件が勃発した。


「ふふふ、アスターくん」


 カレンが近づいてきた。何だかいつもより距離が近いけど……。


「ちゅっ」


 僕とカレンの唇が軽く触れた。


「なななななな、なにしてるのよー、カレンー!」


 ステラが驚愕のあまり、耳まで真っ赤にして叫んだ。


「だって、私だけアスターくんとキスしてないんだもの。婚約者なんだし、いいわよね!」


 いいわよねって……。


「私だって、遥斗と結婚の約束してるんだから! 遥斗ー、ちゅー」


 美香が僕に迫る。ステラはそれを必死に引きはがそうとしていた。


「婚約なんて、ずるいわよ! 私ともするわよね!」


 美香を押さえながら、ステラが詰め寄ってくる。


「えーっと……」


 僕が言い淀んでいると、メグが瞳を煌めかせて、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。


「見えた! アスターくんは私たち四人と結婚する!」


 とんでもないことを言い出すメグ。もう星詠みの力は使えないのに――。


 でも、僕にとっては四人とも大切な存在だ。誰かを選べばきっとそれは、選ばなかった人を傷つけることになる。


 幸いなことに、この世界は一夫多妻制が認められている。前世の倫理観がそれを拒絶しようとするけど……いや、もういいか。


 大事なのは、今この世界に生きているってことなんだ。


 大切な人たちを傷つけたくはない。だから、四人とも絶対に不幸にはさせない。


 そして僕は、覚悟を決めた。彼女たちを真剣な表情でしっかりと見つめる。


「ステラ、メグ、カレン、美香。愛しているよ」


 ***


「アメオ様、なにをしているですの?」


 アメオはいそいそと何かの支度していた。


「おお、ドゥーベか。なに、アスター君に直接、今回の件を労ってやろうと思ってね」


 アメオの言葉に、ドゥーベは顔をしかめる。


「アメオ様『願い続けていれば、いつか叶うかもね』なんてカッコつけてたのに、自分から会いにいくんですのー?」


 ドゥーベの言い草に、アメオはぷんすかと大袈裟に怒って見せた。


「せっかくドゥーベも連れて行こうと思ったけど、留守番させちゃおうかなー」


 その言葉を聞いたドゥーベは、あたふたと慌て始めた。


「冗談ですの、行きますのー!」


「ハハハ、焦りすぎだよドゥーベ。メラクも連れて行くから、呼んでおいで」

「もういる」

「早いね!」

「ん、楽しみ」

「ですのー」

「そうだ、こういうのはどうだい……」


 その後、なぜか人に化けた三人が、学園の編入生として現れたのはまた別のお話。


 ***


 ――数年後。


 その家には、アスターと、ステラ、メグ、カレン、美香が暮らしていた。


 笑顔が絶えることのない、温かな家庭。それはアスターが望んだ最初の願い。


 そして、その家の一番目立つ所には――、


 最高の笑顔を見せる、五人の写真が飾られていた。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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