<事故物件住みます人間や。>
やって俺、芸人ちゃうもん。
ただの一般人やしな。
しかも幽霊一人面倒みてやっとる善人なやつ。
金ないって言うてるのに、寄生虫みたいにクソジジイついてくるし。
『誰が寄生虫じゃワレぇ』
「せやし思考読むんやめぇ……って、ちょっと関西弁移っとるやん。そっちの方がなんか嫌やしやめてくれへん?」
『ほっほっほ、意外と簡単なもんやな、関西弁』
「いや、イントネーションめちゃめちゃやし。俺は認めへんぞ」
『ちっ』
引っ越し自体は何とかなった。
事故物件…っていうより『何か出ます』的住居で人が定住せんってことで。
おかげさまで、敷金礼金もタダで済んだ。
前の家のオバハン大家には、鍵を熨斗で包んで返しておいた。
熨斗が思ったより大きくて、中で鍵がカッサカッサいうてた。
って、そんな事より、怨霊の件や。
理由は分かった。
いま、俺の目の前におるもん。
なんか血塗れで、包丁とか持っとるし。
包丁持っとるて、どういう状況で死んだんやコイツ。
普通、包丁持っとる方が殺す側で塀の中行きちゃうん。
『さて、問題はこの怨霊じゃな』
「見た目からしてもうヤバい。けど、コイツ動くんか?」
『動くらしいぞ。近所の幽霊が言っとったわぃ』
やめて、近所の幽霊とかいうパワーワード。
そんなにゴロゴロされてると、それはそれでめっちゃ嫌やねんけど。
「ほんで、どないすんねんコレ。包丁振りかざして暴れてくるとか嫌やぞ」
『そりゃたぶん誰でも嫌じゃろうな』
「じゃあ、なんとか頼んますわ、えー…なんやったっけ。道玄坂センセ?」
『違う!鎮埋道玄じゃ!!名前ひとつ覚えられんのか!!』
「いや、アンタ本名あるからふたつやろ」
『いちいち揚げ足を取るな!魂引っこ抜いて生霊にするぞ!!』
「ほんまに申し訳ありません。堪忍してください」
土下座した。幽体離脱とかゾッとするわ。
『まぁ、宣言通りちゃんと祓うから心配するな』
「……そんならええ。お手並み拝見させていただくわ」
クソジジイの力っちゅうもんをな。
次回へ続く!!
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