<7歳児がオッサンをタコ殴りしとる。>
俺は一体何を見せられとるんやろう。
しかもめっちゃ高笑いしとる。クソジジイの方が。
なんかすごい。姿がジジイやなくて千紘やから、視界の暴力っていうか。
「これ……子供がオッサンを虐待しとる図にしか見えん……」
それは、クソジジイが抵抗して暴れる怨霊の襟首を引っ掴んで、ズルズルと外に引きずり出すところから始まった。
始まったっちゅうか……ゴングが鳴った。
ボクサーみたいに構えたかと思うと、いきなりラッシュや。
相手に反撃の隙を与えん。
そういえば、俺……千紘の身体、幽霊やけど触れるやん?
頭撫でたし。
あれ食ろたら……死ぬんやろな……物理的に。
『よし、大人しくなったか』
死んだんとちゃうか、それ。
あ、もう死んどるんやったっけ。
もうわけが分からんことになってきた。
『とりあえず、そこに正座せぇ』
窓の外での会話やのに、なんでか俺も正座してもうた。
空中で子供とオッサン怨霊が向かい合って正座しとる。
しかも子供側が腕組みしてて、怨霊側がしょぼんと肩落としとるわ。
絵面がシュールすぎて逆にもう笑えへん。
なんか滾々とジジイが怨霊に説教しとる。
なぁ、もっかい言ってもええやろか。
俺は一体何を見せられとるんや。
ジジイが30分ほど説教したら、怨霊はすぅっと消えていった。
たぶん説教が嫌になったんやろなぁ…気持ちは分かるで。
せやけど除霊とか……祓うっていうの?
なんか思ってたイメージと、ちょっとちゃうかったな。
ていうか、足痺れた。30分て意外と長いんよな。
『これで一丁上がりじゃ。どうじゃ小僧?』
「お見事でした。道玄センセ」
『……どうした、足なんぞ擦って。霊障に触れてしまったかの?』
「いや、なんか正座しとって足痺れただけ」
『………。』
ゴミを見るような目ぇすんの、やめてもらえませんかね!?
「ところで、道玄センセ。ちょっと聞いてもええですか?」
『なんじゃい』
「えっと……そこの隅におる…あの人誰?」
『幽霊じゃの』
『あ、すいません。僕、山田といいます』
「いや、そういうこと聞いとるんちゃうから。……コイツは?祓わんでええの?」
『そやつは特に害はないからのぅ…』
『むしろ僕が先住民だったんですよ。あの怨霊が出てから肩身が狭くって…』
「幽霊が先住権とか主張するんやめてくれる?」
いや、ほんま。
どうすんのこれ。
次回へ続く!!
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