<俺は今日、死ぬ覚悟を決めた。>
俺はとある遊園地の入り口に立っていた。
その隣には、誰にも見えんけど千紘もおる。
珍しいことに、クソジジイやなくて、ええ子の千紘の方や。
なんでこんなことになっとるかというと、長くて涙ぐましい努力の話があるんやけど、めっちゃ簡単に言うたら、凪の件以降、もう何人かマンション内で霊障に困っとる人を癒したんよ。
俺やなくて、千紘がな。
おかげさんで、来月どころか、ひとまず三ヶ月ぐらいは生きていける余裕がてきた。
そうなると、やっぱり千紘にご褒美あげんとやろ?
クソジジイは『スーパードライ』って言うとったから、とりあえずしばいたけど。
オールフリーと大量の酒のアテを買うてやったら、ひとまず満足しよった。
で、問題は千紘や。
千紘in千紘の方や。
こいつ、キラッキラした笑顔で言いよった。
『おにーちゃん!ぼく、遊園地いきたい!!』
遊園地……。
ああ、せやな。
千紘ぐらいの年齢やったら、そら好きやろな?
『ねえ、おにーちゃん。近くでいいから連れてって!!』
近く言うたらもう……あそこしかないな……。
もう、俺の生まれるもっと前に、キャッスルランドは無くなってしもたんや…。
と、いうわけで、俺は今。
ご当地の皆さまにはご存じの、あの、遊園地に来た。
もちろん、入場券は「大人一枚」。
チケット売り場のお姉さん、めっちゃ微妙な笑顔しとった。
いや、27歳の男が一人で、一人分のチケット買うたんや。
微妙やけど笑顔を浮かべてくれただけでも大したもんやと思う。
ただ、なんか俺ん中の色んなモンが死んだだけや。
そういうわけで、俺はこれから、男一人のサムい遊園地遊びをする。
千紘はおるけど、誰にも見えへんからなぁ……。
せやけど、今日は千紘のご褒美の日や。
めっちゃ頑張ってくれて、コンビニの豪華プリンなんかやと全然足りひん。
どうせ今後は来ることもないやろ……たぶん。
ちらっと千紘の方をみたら、千紘がペカーっと目やら顔やらキラキラさせて見上げてくる。
うん。
俺もう、逃げ場ないな。
次回へ続く!!
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