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<片付いとるけど散らかっとる。>

なんちゅうか……めっちゃ頭が混乱する。

竹倉サンの部屋はそんな感じやった。

部屋の間取りは俺んとこと同じ、部屋自体は、竹倉サンが真面目なんやろな、うちと比べると泣きそうになるぐらい片付いとる。

うちも、もうちょい片付けた方が……いや、どうせすぐ散らかるしええか。


「ほな、どうぞ秋月さん」

「お邪魔します……って、うわ…えげつな」

「えっ、そ、そんなに散らかってます!?」

「あ、ちゃう!!違うんです!!部屋はよう片付いとると思うんですけど…」


しんどかったんやろな、スウェットとか、通勤鞄とか、そういうのは適当にほったらかしてあるけど、そんなもんうちと比べたら全然問題やない。

しかし…なんちゅうか……。


「部屋の空気……たぶんこれも霊障のひとつやと思うんやけど…、なんか寒気するっちゅうか……重たいっちゅうか……」

「え?」

「ほんまにこんなとこ住んでて大丈夫やったん?体が痛い言うて俺んとこ来はったやろ?痛いだけやなくて、例えば…急に気分悪くなって吐いたりとか、めまいでフラついたりとか、急に頭ん中真っ白になって記憶がおぼろげにしか無かったり…そんなん、あったんちゃいます?」

「………秋月さん…それ……なんで、」

「俺でも逃げたなるぐらい、この部屋ひどいんですわ。怨霊の霊障ってこんなヤバいんか……」


『これは怨霊だけではないぞ』


千紘の姿で部屋のあっちこっちで印結んだり何か唱えたりしとったジジイが、いつの間にか宙に胡坐かいて腕組みしながらこっちを見とった。


『おめさん……こったら有様で、よぐ今まで生ぎでらったなぁ……』

「……はい?」

「あ、竹倉サン。テレビではどうか知らんけど、このジジイは青森県産なんで」

『人をリンゴみたいに言うでない!!』

「はいすんません。」


カミナリが落ちてきたんで、素直に謝っといた。

その方が、ジジイの怒りは早よ収まんねん。


『竹倉サン、どうもな、怨霊が居座っておったのは402号室なんじゃが……実際に霊の通り道になっておったのは、この部屋のようなんじゃよ』

「えっ?そ、そうなんですか…!?」

『どうも、怨霊がおった時にはそっちを通り道にしてた輩もいたようじゃが…そっちは儂が祓って、通れないよう塞いでしまったからの、こっちを通ってた分がまた403号室に戻り、より酷い状況になってしまったようじゃ』

「はぁ!?待てや、ほんなら竹倉サンのこの状況、むしろ俺らのせいやんけ!!」

「いや、待ってください、秋月さん。……道玄先生、怨霊どうこうの前に、そもそも霊の通り道があったんは、この部屋の方やったんですよね?」

『そういうことになるのぅ』

「ほんなら、秋月さんのせいやないです。最初(ハナ)っからこの部屋が問題やったんや」

「せやけど…!!」

『竹倉サンは理解が早くて助かるのぅ。小僧に爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいぐらいじゃわぃ』


クソジジイ、後で殴る。

竹倉サンも、そんなのんびりしてていい状況とちゃうやろ…。


『じゃから、この部屋の霊道を札で塞ぎ、穢れた気を祓う』


おおう。

なんか急に漫画に出てくる霊媒師みたいなこと言い出したぞ。

いや、そういえば霊媒師なんやったっけ。忘れるわ。


「霊道なんて、そんな簡単に塞いでかまへんのですか?」

『構わん構わん。霊道なんてそこら中にあるんじゃ。その内の一本を通行止めにしたところで問題ないわい』

「…とか言うけど、ジジイ、それで今まで何本の道を通行止めにしたんや」

『そこはどうでも良かろ』


ええんか。そこはええんや。へぇ。


「道玄先生、さすがにそこまでしていただくわけには……」

『ん?……なぁしてじゃ』

「いや、さすがに5万円の料金には見合いませんやろ」

『ああ、なるほど……そういうことかい。じゃあ…』


ふよふよと飛んで、俺んとこに来たかと思たら、ジジイが俺の頭を鷲掴みにしてきた。

といっても、7歳児の手の大きさなんで知れとるけどな。


『竹倉サンや、小僧と友達になってやってくれんかのぅ』

「…………はい?」

「はァァァァ!?ちょ、クソジジイふざっけんな!!」

『この小僧、今まで霊感でロクな人間関係が作れんかったようでの』

「ええと……それは、構いませんけど……秋月さんの意思はどこに…」

「竹倉サン!!クソジジイの言うこと聞く必要ないで!!友達になるならんは、誰かに言われてするもんちゃうやろ!!」

「いや、まぁ、そうなんやけど……」


いや、待って!?

ホンマにくっっっそ恥ずかしい!!

なんやねんこのクソジジイ、今すぐ成仏しろや!!


「……秋月さん。俺のことはこれから【凪】って、気軽う呼んでください」

「は?」

「俺は、修司さんって呼ばせてもらいますから」

「は??」

「ほんなら……この部屋も、キレイにしてもらえますんやね?」

『約束しよう』


え、待って?

これどういう意味で考えたらええんや!?


「えーと、これは、俺と友達になったら5万円で追加サービスもしてもらえるからっちゅう話で…?」

「あはは、修司さん、しばき回したいぐらいアホなこと言わはるやん」

「えっ?」


違うんか?

本来ここまで全部コミコミやと、15万円ぐらいするやつやろ?

俺と友達オプションで5万円据え置きやったら、俺なら友達になる。

それがどんな奴であろうとも、俺はなる自信がある。

…………。

せやけど、竹倉サンは、ちゃうんか。



「さすがに友達ぐらい、自分で選びますわ、修司さん」





次回へ続く!!

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