<呆気にとられる、っていう表現あるやろ?>
今まさに、俺の目の前で竹倉サンがそんな顔しとる。
まぁ、霊障を祓った(俺やないけど)本人が土下座しとるっちゅうんが、まず絵面おかしいよな?
分かってんねん。頭では分かってんねんけど……って、千紘まで土下座しとるゥゥゥ!?
ちょ、やめて!!さすがに小学生に憐れまれるのは堪える!!
「ふっ……あっははははは!!」
なんか急に笑われて、俺は恐る恐る顔をあげてみる。
どつかれてもしゃあないとは思ってたけど……笑うか?
「いや、あの、すんません……ふふっ、そない必死にならんでも」
「でもほら、ヤラセとか詐欺とか言われたら返す言葉もあらへんので…」
「大丈夫です、ちゃんとお支払いさせてもらいます」
「ほんまですか!?」
俺の命の灯火が消えずに済む!!
『ほう…なかなかの好青年じゃのぅ』
「え?」
「あっ!!クソジジイ!!今出てくんな!!」
いきなり面構えが変わって腕組みしとる千紘を見たら、そら誰でもぽかんとするわ。
しかも声までジジイになっとんやぞ!これやから2in1は困んねん!!
『オマケじゃ。お前さんの部屋の空間掃除と、他所からもう何も入ってこれんよう、札を作って貼ってやろう』
「え、え…?秋月さん、これはどういうことで…?」
「あー……千紘の幽体の中に、千紘本人と、鎮埋道玄っちゅうクソジジイの魂が混在してますんや」
「え!?あ、あの、鎮埋道玄先生ですのん!?」
「……知ってるん?」
「知ってるも何も……夏の心霊番組いうたら絶対出てきてた人ですやん」
「そうなん?知らんかった」
「知らんかったて……ええ…?」
竹倉サンまで俺のことを「え、嘘やろ、信じられない…」みたいな目で見てくる。
だから何やねん、鎮埋道玄て。凄さが俺には分からん。
怨霊をボコったのは見てたけど、基本的に俺にとってはただのクソジジイやねん。
『ほう、わしを知っておるのか』
「勿論です!!いつも夏になると楽しみにしとったんです」
『そうかそうか。ほれ、札を作るから筆と半紙を寄越さんか。本当はちゃんと硯で擦った墨が良いのじゃが、ひとまず小僧が昨日買ってきておった筆ペンで構わん』
「は?半紙なんて持ってるわけないやろ」
普通は習字を習ってるクソガキか、書道家ぐらいしか使わへんやろ。
半紙常備してるって、どんだけやねん。
『無いのか、半紙』
「無いな」
『ならば買ってこんか』
…………は? 今?? ナウ!?
「はァァァ!?コピー用紙とかでええやんけ!!」
『馬鹿モンが!!そんなもので代用できるわけなかろうが!!無いなら今すぐ買いに行ってこんか!!』
「ふざっけんな!!クソジジイ!!」
しかしなんだかんだ言って俺は財布を手に家を出るしかなかった。
ムカつくから100均のにしたろ。
……効果下がったらごめんやで、竹倉サン。
そん時はクソジジイのせいにしたらええからな。
あ、あと留守番頼んます。
次回へ続く!!
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