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クソジジイと美少年  作者: 佐伯 みのる
【第四話】
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<よっしゃ、俺はハッタリをかます。>

ジジイが言うんやし、しゃあない。

実際は祓ったり清めたりとかはでけへんけど。

視える聞こえるはほんまやしな。


「えっと…どこから話したらええか、なんですけども」

「はい」


頭を掻きながら、どう話したもんかと考えながら言う俺に、竹倉サンは律儀に頷いてくれた。


「霊媒師を名乗ってますけど、その前に俺は霊感のある一人の人間ですねん」

「ああ……確かに。霊媒師っていう肩書で、つい特別感持ってしまいましたけど……そうですね。秋月さんも……いうても一人の人間ですよね」


肯定してくれるのは嬉しいねんけど、あんまり部屋ジロジロ見るのやめてくれへんかな。

絶対、部屋見て納得したやろ、コイツ。


「先に、山田っていうアホの話をしときましょうか」

「さっきから秋月さんが話してるっぽい相手ですか?」

「はい。コイツは山田…下の名前は知らんけど、ほんまにショボい地縛霊なんですわ」

『ショボいってなんですか!!いくらなんでも酷いですよ!!』

「うっさい山田。喋んな」

「手厳しいわぁ……」

「あはは、特に強い力もなんもない、いわゆる地縛霊ってヤツです。霊感がない人には視えませんし、なんもでけへんヤツなんで、そこは安心してください。俺が管理してますんで」

「は…はぁ……地縛霊って管理できるもんなんですか。初めて聞きましたわ…」


まぁ、俺も言うたん初めてやからな。

管理できるかは俺っていうか、クソジジイ次第やけど。


「で、恐らく竹倉サンのお困りごとって、体調なんとちゃいます?」

「え!?な、なんでそのこと……」

「いや、俺がこの部屋に引っ越してきた時にね、居ったんですわ。先住民が」

「……先住民…?」

『僕のことです!!』

「黙っとれ山田。お前のことやない。」

「え、…違いますのん?」


竹倉サンまでビックリしとる。

まぁ…視えへんのやったらしゃあないわな。

よぉ考えたら、俺もまだ山田の事しか話してへんし。


「なんていうか……分かりやすく言うと、怨霊が長いこと居付いとったみたいで」

「怨霊…と、いいますと?」

「ここにいた奴は……うーん、見た目だけザックリ言いますと、大柄な男が血塗れで、包丁握っておったんです。これがホンマもんの人間なら警察案件なんですけども、や。霊なもんで誰にも視えん。せやけど腐っても怨霊なんで力は強い。なんで、この部屋と……たぶん両隣にも強い霊障があったはずなんですわ。……隣、いうたら竹倉サンの部屋ですやん?影響があっても当然なんですわ」

「じゃ、じゃあ、その怨霊は…!?」

「もう居りません。ちゃんと祓いましたさかいに。で、その後一息入れようと思ったら、何故か山田が残ってまして。まぁ……このアホは周囲に霊障バラ撒く力もないですし、こっちの事情で誰彼構わず祓うんも…ちょっとかわいそうですやろ?」

「……そんなに、山田さんって幽霊、弱いんですのん?」

「あっはっは!!気になるのそこなんや!!竹倉さん、おもろい人ですやん。まあまあチョロいやつです。地味に腹立つことはしますけど、人を傷つけたりとか、そういうことはようやりませんわ、アイツは」


ゴットン!


冷蔵庫から結構な音がして、竹倉サンがビクっと肩を竦める。

あのアホ……後で説教やな。


「い、今の音……」

「あー、俺が山田のこと悪う言いすぎましたんで、ちょお怒っとるんです」

「え…今ので?」

「ええ、今のでです。たぶん、晩に俺が飲もうと思った酒、冷蔵庫の奥に隠されましたわ」

「えっ……それだけですん?」

「それだけですわ。けど、楽しみにしてるモンを冷蔵庫の奥にやられるのって、地味に腹立ちますやろ?それでよぉ喧嘩はしとります」

「………ふっ…あははは」


竹倉サンが。この部屋で初めて少し安心したような朗らかな笑い声をあげた。

よっしゃ、掴みはオッケーってことか!?

チラっとクソジジイを見ると、腕組みしてうんうん頷いとる。

……うん?なんか衣装チェンジしとるぞ?

なんか……袴とか履いとる。

Tシャツと短パンどこいってん。


『それっぽい”いめちぇん”ってやつじゃよ』


あっそ。


「ほんなら、今度は竹倉サンが話してくれはる番……で、よろしいですやろか?」

「はい」


首を縦に振って、竹倉サンが言った。


「……痛いんですよね」

「は…?」

「ほら、なんか憑いとったら、頭が重いとか、肩が凝るとか、よう言いますやん?」

「あー……そうですねぇ」


すまん。

なったことないから、ちょっと分からん。


「なんか、もうそういう次元やのうて…頭とか肩とかだけやのうて、背中から腕から足から、あちこちが痛むんです」

「うわ……」

『可哀想にのう。霊障の障りがそこまで強く出とるとは…早う楽にしてやらんとな』


クシジジイが言うと、違う意味の【楽】に聞こえるしやめてくれ!!

どっちかっちゅうと【あの世】的な意味に聞こえんねん!!


『小僧、浄化すると言え。霊障で受けた障りを浄化する、とな』

「…………。」


ジジイに声で返事することはでけへんけど、一応頷いといた。

具体的に何をどうするのんかはサッパリ分からんけど。

そこはジジイに丸投げするわ。




次回へ続く!!

☆面白かったときは評価や感想、レビューなどお待ちしています☆

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