<ほんなら浄化、始めましょか。>
俺がやるんちゃうけどな?
ていうか、俺にできるわけないんやけどな?
そこはもうクソジジイに、
『おにーちゃん』
千紘かーーい!!
待てクソジジイ!!どないせっちゅうんじゃ!!
『えっとね、おじーちゃんが、浄化はぼくの方がうまいと思う、って』
「……?」
『いたいのいたいのとんでけーってやったら治るよって』
ほんまかいな。
『あと、ぼくはそこのお兄さんには視えてないみたいだから、ぼくの動きに合わせて、おにーちゃんが撫でて浄化するフリをしろって』
クソジジイ……完全にヤラセやん。
いや、千紘が癒せるんやったら、ヤラセとはちゃうんか?
いやジジイは俺に『ヤラセ』をやらせようとしとるんや!!
あっ、今のはシャレとちゃうしな!!
ちゅうか、どこ撫でんねんやろ。
『……足と背中。あと頭。下から順じゃぞ。肩が重いのは恐らく職業病じゃ。関係なかろ。仕事でパソコンと睨めっこでもしとるんじゃろ。腕は背中を癒したら自然と治るレベルじゃ』
いきなりジジイが出てきた。
まぁ、なんやかやで千紘よりは説明が分かりやすいな。
『ちーちゃんが撫でていくから、その上からおめさんが撫でて、おめさん自身が癒しとるように見せるんじゃ。上手くやるんじゃぞ、小僧』
うん。真面目に話聞いとる時に、ちーちゃん呼びやめて。気ィ抜ける。
しかしまあ、大体分かったわ。
「じゃあ……竹倉サン。霊障の影響を受けている部分を”浄化”します」
「浄化…ですか」
「はい。視たところ、霊障で確実に障りを受けているのは、足・背中・頭ですね。その3か所を俺が祓いますんで、それで様子見てください」
「はぁ……それ、どないしてやりますん?」
「ちょろっと撫でるだけですわ」
「そんなんで治りますん?」
「……。たぶん、いけるはずです。正直……この力で商売しようと思ったこと、なかったんですわ。けど、この霊感を持ったままで一般社会で仕事するん、どうしても難かしゅうて……なんで、俺からも頼みます。この障り、癒させてください」
「秋月さん…。……わかりました。そこまで言わはるんでしたら、お願いします」
「……ありがとうございます」
チラッっと横を見たら、ジジイじやなくて千紘がおった。
表情ですぐ分かるもんやな、今がクソジジイなんか千紘なんかって。
千紘の表情はすごく柔らかいんや。
確かになんかのご利益ありそうやで。
……ん?幽霊にご利益ってなんやねん。
『おにーちゃん、始めるよ』
「……では竹倉サン、始めますわ」
「お願いします」
そんなこんなで、俺の初”浄化"は始まった。
失敗したら、俺……詐欺師やんな?
次回へ続く!!
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