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クソジジイと美少年  作者: 佐伯 みのる
【第三話】
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19/22

<スウェット姿ですんません。>

着替える時間無かってん。

お客さん待たせる方が悪いやろ?

って、あれ?いきなり押しかけてくる方がアレなんか?

まあええわ、とりあえず居留守と無視が一番よくないしな。


「はいはい、今開けまっせ~」


ガチャッと玄関開けたら、そこに立っとったのは。


「「 あ…!! 」」


昨日、買い物行くときにすれ違った兄ちゃんやった。

スーツでイケメンの、顔色悪いしやつれてるけど、山田より全然マシな。


『秋月さん…そんなに祟られたいですか…?』


しもた、山田、マンションの敷地内なら自由に動ける地縛霊やった!!

あれ?それもう地縛霊って言わへんことない?

いや、ええねん。そこはええねん。

ひとまず山田は無視しとこ。


「あー……昨日、すれ違いました……よね?」

「ええ…お会いしましたね…。俺も驚いてます……」

「すんません、寝起きなもんでこんな格好で」

「いえ、そこは気にせんといてください。アポなしで来てしもうたこっちが悪いんですし」

「ええと……とりあえず、どうぞ中に。特に変な現象とか……起こらんはずですから。……山田ァ!!さすがに空気読めや!?」

「山田…?」

「いえいえ、こっちの話です。すんません。どうぞ」

「はい。お邪魔します」


イケメン男は靴を脱ぐと、ピッチリ揃えてから入ってきた。

ちゃんとしとる人やな。

たぶん俺には無理やな、こういうんは。

リビングに入って、ちょっとだけ驚いた。

なんか、さっきより片付いとる。ちょっとだけ。

お客さんをあげるのはちょっと躊躇うけど、友達やったら呼べそうな程度には。

……冷蔵庫の横で、山田が手を挙げとる。

有り難いけど、ちょっと自己主張が激しいで。

そんなにモブから抜け出したいんか。


「ひとまず、そこのソファにでもおかけください。今コーヒーでも入れてきますわ」

「あ、いえ、そこまでしてもらわんでもええですよ?」

「俺が飲みたいだけですねん。ブラック?それともミルクか砂糖、入れます?」

「じゃあ、ブラックで…」


隣人がおずおずとそう言うてくる。

そうや、これや。

このぐらいの遠慮がクソジジイにも山田にもないねん。

あ、腹立ってきた。鎮まりたまえ~


「そういえば、引っ越ししてきた時も挨拶もせんと、すんませんでした。俺、秋月修司っていいます」

「あ……俺は、竹倉(たけくら) (なぎ)いいます」

「依頼はちゃんとお聞きしますんで、まずは隣人としてご挨拶、ってやつですわ」

「……そうですね、はい。よろしゅうお願いします」


コーヒーを持って、ひとつは竹倉サンに。もうひとつは俺の前に。

さて……ほんなら始めよか。


「竹倉サン、悩みを言うのと、知りたいこと聞くの、どっち先がええですか?」


ここからが、秋月心霊相談事務所の始まりや。





次回へ続く!!

☆面白かったときは評価や感想、レビューなどお待ちしています☆

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