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クソジジイと美少年  作者: 佐伯 みのる
【第三話】
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16/22

<初めて住人とすれ違った。>

マンションの出入り口んとこで。

俺は越してきて日が浅いんやけど、誰かと会うたんは初めてかも。

スーツ着た、俺と似たような背丈なんやけど……顔が白い。

いや、白いっちゅうか…青白い。

たぶんイケメンなんやろけど、顔色と、目の下の隈と、ヨレたスーツで全部台無しになっとるな。

一応会釈だけはしといた。(いのちだいじに)、って。

ほんで、普通に買い物しに行って、普通に帰ってきた。


「ただいま~」

『さきいか!』

『プリン!』

『殻つきピーナッツ!』

「……食いモンを俺の名前みたいに言わんといて」


しゃあないから、レジ袋からさきいかとプリンを出して。


「山田はこれやったな」


殻むきの、普通のピーナッツをお供えしといた。


『ちょっと!秋月さん!!僕がお願いしたものと違うじゃないですか!』

「いや、殻つきは俺が嫌や」

『そっちの方が美味しいんですよ!!』

「剥いた殻が散らかるやん。お前にやったもん、最終的に食うの俺やしな?なんで俺が好きやないモン買うてこなあかんねん」

『酷い……秋月さんが僕だけに冷たい……』

「いや、お前にだけやないつもりやけど」


クソジジイも正直どっか行ってほしい。

なんでや。俺は静かに暮らしたいだけなんや。

霊感だけでもめんどくさいのに、なんでそれよりもっとめんどくさいモンに絡まれとんの、俺?


「で、この筆ペン様で、なんて書くって?」

『”心霊相談、承ります”じゃ。ちゃんと”秋月相談事務所”と書くんじゃぞ。あ、あと電話番号もじゃ』

「へいへい。……じ、む、しょ……っと。で、電話番号書いて…これでええんか?」

『字ィ汚ッ!!!』

「それ前回聞いたし。なんべんも言うんやめてくれ。ちょっとは傷つくんやぞ、これでも」

『……まぁ、良いか』

「フル無視!?」

『じゃ、これを部屋数分……まぁちょっと多めで30枚ほどコピーしてこんか。で、マンションの集合ポストに一枚ずつ入れるんじゃぞ』

「えっ、俺また外行かなならんの!?」

『えへへ、おにーちゃん、プリン美味しい!!』

「クソジジイ!!言うだけ言うて千紘とチェンジすんなや!!」


しゃあないな……近くにコンビニあって良かったわ。


「ほな、もっぺん行ってく『殻つきピーナッ……わぁ!!』


山田がまだ言うてくるから、普通のピーナッツの袋投げつけといた。

すり抜けて壁にぶち当たって落ちたけど。やっぱりビックリはするんやな。


次回へ続く!!

☆面白かったときは評価や感想、レビューなどお待ちしています☆

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