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クソジジイと美少年  作者: 佐伯 みのる
【第三話】
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13/22

<山田のこと忘れとった。>

「ほんで、山田クンとやらは出てってくれへんの?」

『そりゃあ……僕の方が先に住んでたんで』

「それ、ほぼ地縛霊って言うんとちゃうんか」

『まあ呼び方はなんだっていいんですよ。出て行く気がないだけで』

「おい!クソジジイ!!どないなっとんねん!!」

『別に害はないし、そっちの幽霊はわしと違って飲食もいらん。エコ幽霊じゃよ。賑やかになって良いじゃろが』

「エコって……あんたが規格外なだけとちゃうんか」

『あ、でも僕、お供えものであれば食べれますよ。あると嬉しいです!』

「お前もさり気にねだってくんのやめぇ!!」

『もちろん、下げたものは秋月さんのお腹へどうぞ』

「ジジイよか……エコやな、うん」

『おい小僧。』

『おにーちゃん、ひどーい!!』

「こんな時だけ千紘を表に出してくんなや!!」


ああもう、話が進まへん!!


「とにかく!俺は仕事したいねん。けど、この体質のせいで続かん。正直行き詰まっとる」

『おめさんが、いちいち反応するのが悪いんじゃろ?』

「あんな、俺は割とはっきり視える方やねん。血塗れの幽霊がいきなり目の前に現れて、頭ゴロンとか落ちてみ?普通に叫ぶわそんなん」

『もしかして、おめさんの反応が面白くて、揶揄われてるんと違うか?』

「ふざけんな!!」


怒鳴った瞬間に天井からピシッって音がして、思わず肩がビクンってした。


『……本当だ。面白いですね、秋月さん』

「おい山田。お前の仕業か山田。」

『試しにラップ音をちょっと』

「なにしてくれとんねんてめぇいてこましたろか、アァ!?」

『ごめんなさい!!一気に言うのやめてください殺意が怖いです!!』

『だっはっはっは!!確かにこれじゃあダメじゃのぅ』

「はぁ……なんでもええから何か案くれやぁ…」

『じゃから言うておろうが。霊障の触りを受けた者を助ける商売をしてみんかと』

「俺、霊媒師とちゃいますけど」

『同じことを何度も言わすな。わしが手伝ってやると言っておろうが』

「具体的には?」

『ふむ……とりあえず、ここに常駐しておった怨霊のせいで、霊障を受けておる者がいくらかはおるじゃろう。まずはそれを炙り出すかの』

「常駐とか言わんとってくれる?」


なんか、交代で別の怨霊が派遣されてきそうやん。


「せやけど、どないして探すん?」

『それなんじゃが、霊障の触りを受けた者は、一時的に霊への感覚が敏感になっておる。ラップ音や、タンスをちょいとガタガタさせるだけで反応する』

「いやそれ俺も怖い」

『で、じゃ。山田の出番よ』

『僕ですか!?』

『このマンションは5階建て、部屋は各階5室。深夜に各部屋を回ってちぃと脅かしてこんか』


なるほど、そういう風に山田を使えばええのんか。覚えとこ。


『うーん……そう言われましても……』

『客が釣れて報酬が入ったら、お前さんにビールと柿ピーを供えると小僧が言っておるぞ?』

「おい」

『僕は、柿ピーよりはミックスナッツの方がいいです』

「より高級品をねだるな、ボケ」

『ただ…手伝いたいのは山々なんですが…。僕は、ここで死んで長くて…もう地縛霊になっちゃってるんですよね。だから、ガタガタ言わせるのも、両隣が精一杯ですよ』

「役に立たねェェェ!!せめて上下もやれるようなっとけや!!」

『ふむ。地縛霊になってしもうたことで、行動に制限ができとるんじゃな。じゃあ、ちょいとわしが行動範囲を広げてやるか』

『はい?』


クソジジイがなんかササっと印を結んどる。

こういう時だけなんかソレっぽいの、やっぱ腹立つよな。

子供の姿でもなんかこう……なぁ?


『こんなモンかのぅ。このマンションの敷地内であれば、好きに動けるじゃろ』

『あっ、身体が軽い!』

「嘘やろ!?この部屋だけやなくて、マンション全体に幽霊が出ることになるやん、それ!!」

『むしろそうしたんじゃが……問題あったかの?』

「全部が問題や……。ま、まぁ、ええやろ。とりあえず霊障を受けとるモンを炙り出す間だけやろ?」

『あ、すまんのぅ。一度広げたもんは元に戻せんよ。山田がこの部屋であと10年ぐらいじっとしておけば、戻れるかもしれんがの?』

『え、普通に嫌ですよそんなの』

『じゃよなぁ?』

「近所迷惑ゥゥゥ!!」


あれ、でも、ちょお待てや。


「両隣だけ山田クンに任せて、あとはジジイが行けば良かった話とちゃうんか」

『嫌じゃよ、めんどくさい。夜は寝たいわい』

「クソジジイ……鬼太郎でも寝るのは朝やぞ」


申し訳ない、不動産屋さん。

この部屋だけやのうて、このマンション全体が……ほんま、すんません!!


次回へ続く!!

☆面白かったときは評価や感想、レビューなどお待ちしています☆

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