<秋月家の朝食は、>
白米。インスタントみそ汁。スーパーで値引きされてた浅漬け。納豆。終わり。
しゃあないやん。金ないねんて。
『はよう働かんかい。若者が』
「あんなぁ。俺、この体質のせいで、色んなバイト全部クビになっとんのや」
『それがどうした』
「それがどうし……って、クソジジイに履歴書書くしんどさ分からんよなぁ……。あっ!ジジイ!!てめぇ漬物取りすぎや!!」
『なら、霊障で障りを受けておるものを助ける商売、してみんか?』
「は?俺にそんな力ないんですけど」
『分かっとるわい。じゃからそこは、わしが力を貸してやろう』
「へ?」
『家賃替わりじゃ』
「……うん。千紘顔のウインク可愛いけど、声がジジイやからキモい」
『失敬な!!』
せやけど……そうそう都合よく、触りを受けとる奴なんておるんか?
いや、もしかしたら、ジジイには見抜ける能力があるとか…?
「そういや、ジジイはなんで霊媒師なんてやっとったん?」
『うむ……それがのう。たぶんお前さんもじゃろが、わしも幼い頃から幽霊や怨霊、果ては魑魅魍魎の類までが視えとっての』
「今ではジジイが魑魅魍魎になっとるけどな」
『黙らっしゃい!で、若い頃にタチの悪い奴に絡まれたことがあってのう…』
感慨深そうに言うとるけど。
なんか、チンピラに絡まれとる姿しか思い浮かばん。
悪いなクソジジイ。
『で、とりあえず殴ってみた』
「まさかの物理」
『そしたら消えてしもうてのぅ……わしにこんな素晴らしい力が備わっておったとは…!!と、その時は感動したもんじゃよ』
「あー、なるほど。そん時にエセ霊媒師が生まれたわけやな」
『エセ……おめさん、昨日の見事な怨霊退治、見ておったじゃろ』
「ほんなら、なんでアレどうにかしてくれへんの?」
みそ汁啜りながら眺めてみる。
冷蔵庫のちょっと隣にずっと立っとる幽霊。
なんやっけ……一晩寝たら忘れそうになっとる。
ああ、山田クンや。めっちゃモブ顔しとる山田クンな。
鎮埋道玄よりよっぽど覚えやすい名前や。
『わしは何でもかんでも祓うわけじゃないぞ』
「いやもう、幽霊なんてそこにおるだけで迷惑やろ」
『迷惑だなんて失礼な!僕はラップ音とポルターガイストぐらいしかできません!』
「山田クン、急に話に入ってこんでもらえる?」
『はっ、す、すいません。つい……』
注意したら引いてくれた。
悪い幽霊やないってのは、俺も分かるけどもやな…。
これ以上、人間やない住人増えるん嫌やで、普通に。
……まぁええ。とりあえず朝飯終わらせて、考えるモン考えんとな。
『ご馳走様でした』
「お粗末さんでした」
『本当にのう』
「ブチ殺すぞ」
さて。始めようか。
「第18回、秋月修司を定職に就かせよう会議、始まりや」
わかる?
パートクビになって、クソジジイ幽霊拾ってしもて、
それから今までで、もう18回やってんねん。
嫌んなるわ、ほんま。
次回へ続く!!
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