陰キャおっふ……
アルワちゃん家の馬車に乗った。タイ・リョクがいなくて女の子二人と同じ空間……い、陰キャ男子にこんな状況、耐えられない!
「で、さっきのはどういうつもり?」
ロインちゃんが向かいに座ったアルワちゃんを睨む。
「その……外で魔法を使うのは、学園から禁止されていますの。誰かに知られたら困りますわ……だからお願い! 秘密にしてください!」
アルワちゃんぺこりーーん。かわいい。
「えっと……」
「それに……」
アルワちゃんが顔をあげた。髪で隠れていた、とがった耳が見えた。
とがった耳⁉ エルフ⁉
「……エルフであるカネ家の娘は、勇者サマが現れたら、その血筋を遺すさだめ。未来の妻だと思って、助けてくださいまし!」
「え? じゃあ……エルフは勇者と……」
「じゃあ私でもいいじゃん! ね?」
ロインちゃんが俺の腕に抱きついてギューーーーーーーッ!
「おホッ⁉」
「どうか、どうかお願いします!」
アルワちゃんが俺の手をギューーーーーーーッ!
「おっふ……おぅん……」
は、鼻血出そう……
「ナイショにしてくださいませ! タイ・リョクの事ももすぐ探させます!」
「オウフ……」
「ひーちゃん、みんなにバラそうね〜!」
ロインちゃん俺に抱きついてギューーーーーーーッ!
「あっ……おふっ……」
「やめてくださいまし! おねがいです!」
ギューーーーーーーッ!
「はうわ……」
「え〜? どうしよっかなぁ? ね? ひーちゃん?」
ギューーーーーーーッ!
「あぅん……おふ……」
「勇者サマ! どうか!」
アルワちゃんが身を乗り出してきてギューーーーーーーッ!
「あふぁ……」
お、女の子二人に挟まれるなんて……胸が……苦し……
「ひーちゃん? 大丈夫? 熱があるの?」
ロインちゃんがおでこをおでこにペターーーーー!
「あばばばば……おふっ……」
俺、鼻血ブーーーーーーーーー! バターーーーーーーーーン!
「ひーちゃん!」
「勇者サマ!」
俺の意識は、そこで途絶えた。




