『夢操の檻』カナン編 第4章:世界集結(後編) ― 鋼のパッチワーク、S-EINの誇り
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1.同志
ニューソウル跡地を埋め尽くす各国の軍勢。
その圧倒的なスケールに気圧されながらも、ハルとエレナはどこか意気揚々としていた。二機あるS-EIN専用ヘリのハッチが、音を立てて開かれる。
「見てなよユーリ。僕たちのS-EINを見せつけたら、みんな腰を抜かすはずだ。こんな短期間で、これだけの自律兵器を組み上げたんだからね!」
ハルが鼻を高くし、胸を張って二十機の鋼鉄の巨人たちを整列させた。
ユーリもまた、内心では誇らしかった。継ぎ接ぎだらけだが、そこには仲間たちの執念が詰まっている。
しかし、意気揚々と周囲を見渡したユーリとハルは、同時に「あ……」と声を漏らした。 隣のテント、その隣の広場、さらにその奥。
視界に入るあらゆる部隊の傍らに、彼らが「自分たちだけの発明」だと思っていたものと、そっくりな姿が並んでいたのだ。
「……みんな、考えることは一緒だったんだな」
ジンが苦笑しながら言った。
どの部隊も、人数不足を補うために、かつて破壊したEINの残骸を拾い集め、自国の技術で再構築していた。
戦車のような武骨なEINもどき。
刀を携えた細身の偵察機型。
ハルは「僕のが一番かっこいいのに!」と少し落胆したように唇を尖らせたが、ユーリは逆に、不思議な温かさを感じていた。
言葉も通じない、遠く離れた国の人々が、自分たちと同じようにガラクタを拾い集め、泥にまみれて「夢」を繋ぐための鋼を作っていた。
その事実は、この旧政府軍が、決して寄せ集めではない一つの意志で結ばれている何よりの証拠に思えた。
「俺はこの部隊の船を選んでくる。先に広間にいっとけ。総司令の顔を拝むなんてそうそうできないことだからな」ジンが感心したように言う。
2.総司令
広間までは少し距離があった。歩くたびに、世界の広さを肌で感じた。
ロシアの陣営では、兵士たちが巨大な焚き火を囲み、ウォッカを回し飲みしながら戦車に愛称を書き込んでいた。
その横を、中国の数千人の兵が地響きのような掛け声と共に一斉に槍を振るう、圧巻の練武。
ヨーロッパの陣営を通ると、彼らは泥だらけの廃墟の中にさえ白いテーブルクロスを広げ、優雅に紅茶を啜っている。
その徹底した「崩れぬ日常」に、ユーリはプロの兵士としての矜持を見た。
「……見て、あれ」 エレナが指差した先。
司令塔の頂上に、一人の男が立っていた。 古い。あまりに古い博物館に飾ってあってもおかしくない二十世紀のドイツ軍服を思わせる軍装に身を包んだ、銀髪の男。
「旧政府軍、総司令官ヴァルター……」
最近忙しくて全体的に雑になっていろと思います。すみません




