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11 竜士育成専門学校 街デートと余計な付き人

ルザロワとミカは、お互い昼から授業の無い日に街に出かけた。

普段学校で使う物は購入できるのだが、ルザロワの寝巻きが破れてしまったので、それを買いに行くのが1番の目的だ。


入学の直前に買った中古で、元々小さな穴が空いていたのだが、更に引っ掛けてしまい、大きく裂けてしまったのだ。

そうなると繕うのも億劫になり、古いシャツを着て寝ていたが、ミカからクレームが付いた。


「なんか、いやらしい」

「はあ?」

「新しいの買いに行こう!」

「面倒だから良いよ」

ルザロワはあまり着るものに拘りは無い。いつも家ではヘイリングが決めていたので選択する機会が無かったせいだ。

「駄目だよ!もし寝てる時エレン先輩に突撃されたら危ない!」

「えー、最近はちょっかいかけられてないです。飽きたのでしょう」

「…」

「やっぱり新しいの欲しくなった。ミカ選びたい?」

ルザロワはミカからの圧に負けた。

「もちろん!」


そして下着専門店に来た。

「ここにも寝巻き売ってるんだ」

ルザロワは店内に入って下げられた寝巻きを見て感心した。

「でも、なんか、僕には可愛すぎるような」

「コレが良い」

ミカが持ってきたのはほぼレースでできたタンクトップと上下セットの下着だった。


ルザロワはポカーンとそれを見た。

「これ下着だよね?透けて見えてしまいますよ?着た方がいやらしいと思う」

「僕の前だけで着て欲しい」

「そんなの、限定的過ぎない⁈せめて寮部屋で着れるのが良いんだけど!」


「それはコレ!」

「落差が激しいんだけど…」

ミカが別に持ってきたのは、厚手の単にシャツの裾が長くなっただけのような、野暮ったい物だった。

「もうちょっと、格好良いのが…これでいいです」

ミカに押し付けられて仕方無く受け取った。


ミカはその上にさっきのレース肌着を乗せた。

「僕もお金出すよ」

「いいよ、決めたのは、一応私だし」

ルザロワは店員に渡した。

「あの下着はどこで着けたら…」

寮のシャワー室は共同なので、普段から身に付けるとバレバレである。



「こっちだ、行こう」

店から出ると、ミカは商店街から路地に入っていく。

「え?どこ行くの?そろそろ戻ろうよ」

「折角だから、下着姿見せてよ」

ミカはある店のドアを開けた。ハイカウンターに老婆が一人座っていた。

「休憩2時間で」

ミカが金を払うと老婆が鍵を寄越した。

「2階の奥」

「え、ここ、何?」

「休憩する所、どうせルザロワ知らなかったでしょ」

「うん、そんな店あるんだ」


「狭い」

「休憩だからね、時間無いから早く着替えて」

ドアから入ってすぐ、少し広めのベッドがあるだけの窓も無い部屋だった。

「本当にこれ着るの?」

「その為に買ったんだよ」

ルザロワはミカのにっこりとした表情と上着を脱いで薄手のシャツ越しに見える引き締まった身体に赤面した。


「ルウ、脱がせて欲しい?」

「ルウ?」

「二人の時だけね、ルウ」


ミカは近寄って来て、ルザロワのシャツのボタンを外し始めた。

別に着替えなど、普段彼の前で気にせず脱ぎ着してるのに、脱がされると気恥ずかしい。

自分でも脱いでいき、レースのタンクトップを身に付ける。当たり前だが、素肌はあらかた透けている。乳首の位置もはっきりわかる。


「ルウ、下も」耳元で言われてぞくっとした。

初めて会った時は、こんなことを命じられるとは思ってもみなかった。下世話な色恋とは無縁そうな爽やかな青年の印象だった。

恐る恐るスラックスを下ろすと、待ちきれなくなったのか、ミカが下着を掴んで引き下ろした。

「ミカ!」

跪いてルザロワを見上げたミカの表情は先程と一変していた。

頬は上気して、目に情欲が浮かんでいる。

いつもは見ないその表情にハッと目を逸らせて、急いで下を履いた。


「やっぱり、似合うよ」ミカは立ち上がると脱がせた服をベッドの柵にかけた。

「これ、履いてる意味ある?」

ルザロワは自分の体を見下ろした。裸より恥ずかしい。

「意味あるよ。思った通りルザロワの身体はいやらしく綺麗だね」


ミカはルザロワを抱き寄せた。

「早く抱きたかった」

薄いレース越しに、ミカの肌と体温が伝わってくる。

少し早いミカの心臓の鼓動に、緊張してるのは自分だけでは無いと安心する。


どちらからとも無くキスをした。

最初は啄むようだったのが、だんだん深く、舌を絡ませる。

お互い唾液を吸いあって、口を離し、息を切らしたルザロワが喘ぎながら言った。

「この後どうすればいいの?」

ミカは黙って手を下着の中へ滑り込ませた。ルザロワは息を飲んだ。


「気持ちよかったね、ルウ」

ミカが声をかけたが、返事がない。

「ルウ?」

ルザロワは気を失っていた。

「え?ルザロワ?嘘」

ミカが焦ってルザロワを揺すると、すぐに目を覚ました。


「良かった、気付いた。気分どう?」

「ひたすら恥ずかしい」ルザロワは両手で顔を覆った。

「ルウ大好きだよ」ミカは手の上からキスをした。

「僕もミカが大好きです」


「続き、しようか」

ミカがルザロワの頬にキスした。

「え?続き?今から?」

「まだ時間あるし、しよ?」

「ム、無理です。今日はもう、いっぱいいっぱい」


二人は長めのキスをしてから店を出た。



路地から出て、屋台でジュースを買って飲んでいると、後ろから声をかけられた。

「シュガー!」

ルザロワはビクッとして振り返った。

「ビル⁈」

ビルが二人の護衛を連れて近付いて来た。

「こんな所で何を⁈授業は?」

非難口調で言う。


「今日は無い日なんだ。だから、買い物に来た」

「わざわざ来なくても、すぐに用意できるのに」

「僕が誘ったんです」

ミカが割り込んだ。

「こちらの方は?候補生ですか?」

ビルは変わらず不調法に言う。

「ビル、彼は整備士候補のミカエルだ。同学年で部屋が同じなんです」

「お付き合いを始めました。よろしくお願いします」

「え、ちょっと⁈」

ルザロワは不意打ちをくらってたじろいだ。

「本当のことだろう?」

「だけど、心の準備ってものが、まだ出来てないです」


ビルはますます不機嫌そうに言った。

「あなたは学校に恋人を作ってダラダラするために行っているのですか」

「違います。ちゃんと一位を守ってます。ミカも整備士の中では一番ですよ?」

「僕も弁えています。成績が悪いと奨学金を打ち切られますからね。ルザロワには叶わないけど」


「それを維持して下さい。それでは、急ぎ報告しなければならない事がありますので」

 ビルは早足で去って行った。

「ごめんね、叔父は過保護なんだ」

あの分だと、ヘイリングに直接報告に行くだろうな。


「帰ろう、刻限過ぎたら面倒だし」

「うん」

ルザロワは差し出された手を握った。

もしかしたら、ずっと見張ってて声をかけたのかもしれない。

ミカと肉体関係も結ぼうとしたって言ったら、どう反応したかな。


初めてのデートは後味悪く終わった。

R18版では、ミカとルザロワの初めての交わりが描写されましたが、この世界ではそこまで至ってません。

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