65話「初心者ダンジョンの真名」
最初に動いたのは、虹晶王スライムの頭上に浮かぶ火球だった。
「美咲さん、左へ!」
「はい!」
俺の声へ反応し、美咲さんがシズクを庇いながら左へ駆ける。
直前まで立っていた場所へ、火球が落ちた。
赤い炎が床を覆い、その周囲へ黄緑色の強酸が流れ込む。
虹晶外殻から放たれた結晶針が、美咲さんの背後へ迫った。
「後ろから結晶針!」
美咲さんが振り返り、盾を斜めに構える。
何本もの結晶針が盾へぶつかり、硬い音を響かせながら左右へ弾かれた。
紫色の毒霧も広がり続けている。
防毒マスクを着けていても、このままでは視界を失ってしまう。
「シズク、風弾! 毒霧だけを吹き飛ばして!」
「ぷるっ!」
シズクの身体の前へ、風属性の魔力が集まる。
強く撃ち込む必要はない。
毒霧を除去し、最初の防護を解除できれば十分だ。
シズクが出力を抑えた風弾を放つ。
圧縮された風が弾け、周囲を覆っていた毒霧を一気に押し流した。
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『毒霧領域:解除』
『王核防護:1/4解除』
『連続解除可能時間:11.71秒』
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「制限時間が始まった! 次は氷槍!」
「ぷるっ!」
シズクが魔力の属性を切り替える。
虹晶王スライムが身体を震わせ、俺たちの足元へ強酸を放った。
「赤い線へ移動して!」
俺は羽靴で床を蹴る。
強酸を跳び越え、まだ溶かされていない赤い線の上へ着地した。
美咲さんもシズクを抱え、同じ場所へ移動する。
シズクの前では、青白い魔力が細長い槍へ変わっていた。
「シズク! 強酸膜の中央を狙うんだ!」
「ぷるっ!」
俺の合図で、氷槍が放たれる。
虹晶王スライムの表面を流れていた強酸へ突き刺さり、黄緑色の膜を一気に凍結させた。
流れ出していた強酸も動きを止め、床へ落ちる前に硬い氷へ変わっていく。
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『強酸膜:凍結』
『王核防護:2/4解除』
『連続解除可能時間:8.36秒』
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「あと二つです!」
「次は火球だ!」
シズクの身体へ、赤い魔力が集まり始める。
だがその前に、虹晶王スライムの頭上から、火球が一斉に放たれた。
「正面と右から来る!」
「分かりました!」
美咲さんがシズクの前へ立つ。
一つ目の火球を盾で上へ逸らし、二つ目を横へ動いて避ける。
三つ目の火球が、逃げた先へ回り込むように迫った。
「美咲さん、その場で伏せて!」
俺の言葉に、美咲さんが迷わず身体を低くする。
火球が頭上を通り過ぎ、背後の岩壁へぶつかった。
その間に、シズクの火球が完成する。
作り出された火球は小さい。
だが、中心は高温を示す蒼色へ変わり、周囲の空気を歪ませていた。
「シズク、虹晶外殻の正面へ!」
「ぷるっ!」
火球が放たれる。
虹晶王スライムの透明な外殻へ命中し、一点へ集中した熱を与えた。
急激に加熱された虹晶外殻へ、細かな歪みが生まれる。
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『虹晶外殻:加熱状態』
『物理反射率:低下』
『王核防護:3/4解除』
『連続解除可能時間:4.92秒』
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「最後は石弾だ!」
「ぷるっ!」
シズクの前へ、土属性の魔力が集まる。
虹晶王スライムも、最後の防護を破壊されると分かっているらしい。
透明な外殻から無数の結晶針が伸び、シズクへ狙いを定める。
「シズクを狙ってる!」
「させません!」
美咲さんが盾を構えると同時に、結晶針が一斉に放たれた。
何本もの針が盾へぶつかり、美咲さんの身体を後方へ押す。
「くっ……!」
それでも、美咲さんは動かなかった。
シズクの前には、拳よりも小さな石弾が作り出されている。
大きさを抑えた分、魔力が強く圧縮され、高い威力を持つ石弾だった。
「シズク、今だ!」
「ぷるるっ!」
石弾が放たれる。
低い音を響かせながら真っ直ぐ飛び、赤く熱せられた虹晶外殻へ激突した。
守護部屋全体へ、硬い物が砕ける音が響き渡る。
虹晶外殻へ無数の亀裂が走った。
次の瞬間、透明な外殻が虹色の粒子となって弾け飛ぶ。
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『虹晶外殻:破壊』
『王核防護:4/4解除』
『虹晶融合:強制解除』
『王核露出時間:3.00秒』
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「防護を解除できた!」
虹晶王スライムの身体から、四属性の光が消える。
中心にある虹色の王核が露出した。
美咲さんが盾を手放し、剣を両手で構える。
「行きます!」
だが、虹晶王スライムも動きを止めていない。
耳飾りを通じて、強い敵意が伝わってきている。
同時に、『解析鑑定』へ新たな攻撃軌道が表示される。
虹晶王スライムが狙っているのは、美咲さんでもシズクでもない。
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『現在の攻撃対象:一城陸斗』
『王核露出時間:2.41秒』
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「俺を狙ってる。美咲さんは、そのまま王核へ!」
「ですが!」
「俺なら避けられる!」
虹晶王スライムが身体を低く沈める。
次の瞬間、巨大な身体が正面から飛び掛かってきた。
左右へ避ければ、進路を変えられる。
後ろへ逃げても追い付かれる。
俺は虹晶王スライムが目の前まで迫るのを待ち、羽靴で床を強く蹴った。
身体が一気に持ち上がる。
虹晶王スライムの突進が、足元を通り過ぎた。
俺を追うために身体が上へ伸び、露出している王核の位置も僅かに動く。
「美咲さん、正面の少し上!」
「見えました!」
美咲さんが踏み込む。
振り下ろされた剣が、虹晶王スライムの身体を切り開いた。
刃先が、すでに亀裂の入っている王核へ届く。
「これで終わりです!」
美咲さんが剣をさらに押し込む。
王核から、硬い物が砕ける音が響いた。
亀裂が一気に広がり、内部から虹色の光が溢れ出す。
虹晶王スライムの身体が大きく膨らんだ。
赤。
紫。
黄緑。
透明。
四つの光が混ざり合い、守護部屋全体を虹色へ染め上げる。
最後に一度だけ身体を震わせ、虹晶王スライムは無数の粒子となって崩れていった。
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『第10層・階層守護個体』
『討伐:完了』
『第10層踏破:完了』
『協会管理範囲:全階層踏破』
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「倒せた……!」
羽靴の力を弱め、床へ着地する。
「陸斗さん!」
美咲さんが、すぐに駆け寄ってきた。
「怪我はありませんか?」
「大丈夫だ。肩は少し痛むけど、腕は動かせる」
「帰ったら、必ず診てもらってください」
「分かった」
シズクも、俺の足元まで跳ねてくる。
「ぷる……」
「心配しなくても大丈夫だ」
身体を撫でると、シズクが俺の手へ身体を押し付けた。
「シズクも、よくやった。四つとも狙いどおりだったぞ」
「ぷるっ!」
元気よく返事をしたものの、いつもより身体の光が弱い。
状態を確認する。
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『個体名:シズク』
『状態:魔力消耗』
『魔力残量:16%』
『身体的損傷:なし』
『推奨』
・本日の魔法使用を終了
・十分な休息と魔力補給
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「怪我はない。身体発光が少ないのも魔力をかなり使った反動だ」
「四つの魔法を続けて使いましたからね」
美咲さんがシズクを抱き上げ、従魔用ゼリーを与える。
「ゆっくり食べるんだよ」
「ぷるっ」
シズクがゼリーを体内へ取り込み、少しずつ溶かし始めた。
ゼリーのおかげで魔力が回復し、体を巡る発光が少しずつ戻っていく。
それを確認した美咲さんは立ち上がり、先ほど手放した盾を拾い、傷がないことを確かめる。
虹晶王スライムが消えた場所には、良質な魔核と、虹色に輝く結晶が残されていた。
「虹晶石が出てるな」
「希少ドロップです!」
虹晶石へ『解析鑑定』を発動させる。
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『虹晶石』
『品質:A』
『希少度:A』
『推定買取価格:450,000円』
『用途』
・複数属性対応魔導具の中核素材
・属性変換装置の加工素材
・魔法補助装備の魔力源
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「推定買取価格は四十五万円。複数の属性を扱う魔導具へ使えるみたいだ」
「高価な素材もですが、今は無事に倒せたことの方が嬉しいです」
「俺もそう思う」
良質な魔核と虹晶石を探索鞄へ収める。
守護部屋の奥には、地上へ帰還するための青い転移門が現れていた。
「これで、協会が把握している十層は、全部踏破したことになるんですね」
「そうだな」
「私も、このダンジョンを最後まで踏破したのは初めてです」
「そうだったのか。前にパーティーを組んでたって言ってたけど、その時もここは踏破してなかったのか?」
「はい。以前は、女性だけの四人パーティーで中級ダンジョンを拠点にしていました」
美咲さんが、パーティーで魔物を倒した経験があることは聞いていた。
だが、どのような仲間と活動していたのかまでは知らない。
「していたって事は、解散したのか?」
「はい、二年前に。一人が結婚して、もう一人は実家の料亭を継ぐことになりました。最後の一人も有名クランから誘われて、移籍することになったんです」
「それぞれ、別の道へ進んだんだな」
「はい。喧嘩別れではないので、今でも連絡は取っています」
美咲さんが、懐かしそうに微笑む。
「四人で活動していた頃は、虹晶王スライムの情報も確認していました。でも、同じ危険を冒すなら、価値の高い素材が手に入る中級ダンジョンを探索した方がいいと判断したんです」
「初心者ダンジョンの踏破より、普段の探索を優先してたのか」
「はい。パーティーが解散してからは、一人で第七層まで進みました。でも、それより先を単独で探索するつもりはありませんでした」
「第一層へ通っていたのは、従魔にできるスライムを探すためか?」
「それと、火スライムのドロップ品が目的でした」
美咲さんが、腕の中にいるシズクを見る。
「そこで陸斗さんと出会って、シズクが仲間になって……三人で第十層を踏破できたことが、本当に嬉しいです」
「そうだな。俺も、二人がいなければここまで来られなかった」
「ぷるっ!」
シズクが、自分も頑張ったと主張するように身体を伸ばす。
「四つの魔法を続けて成功させたんだから、今回一番の活躍だったかもしれないな」
「ぷるるっ!」
褒められたシズクが、美咲さんの腕の中で誇らしそうに揺れる。
その時だった。
「ぷる?」
シズクが不意に動きを止め、守護部屋の中央へ身体を伸ばした。
床に刻まれていたスライムの紋章が、淡い蒼銀色に輝いている。
「何か反応してる」
シズクの従魔核から、細い光が伸びる。
光が床の紋章へ触れた瞬間、守護部屋全体が低く揺れた。
「陸斗さん、あれを!」
青い帰還用転移門の隣。
何もなかった空間へ、蒼銀色の揺らぎが生まれていく。
やがて揺らぎは、人が通れるほどの大きさまで広がった。
その表面には、王冠を載せたスライムの紋章が浮かんでいる。
「別の転移門……?」
俺はすぐに『解析鑑定』を発動させた。
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『スライム帝王の迷宮』
『第11層への転移門』
『協会管理名称:初心者ダンジョン』
『迷宮総階層数:50』
『現在到達階層:10/50』
『転移門出現条件』
・スライム系従魔が第10層階層守護個体の討伐へ参加
・対象従魔の契約者が同行
『転移門可視化・利用必須条件』
・登録済みのスライム系従魔が同行
・同行従魔の契約者が同行
『同行可能者』
・対象従魔および契約者と同一の登録パーティー
・対象従魔および契約者を含む登録クラン
・対象従魔および契約者を含む登録共同探索隊
『現在の利用可能者』
・一城陸斗
・佐伯美咲
・シズク
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「五十層……」
表示された数字を見て、思わず呟く。
「何が表示されているんですか?」
「このダンジョンは、第十層で終わりじゃない」
「え?」
「本当の名前は、スライム帝王の迷宮。全部で五十層ある」
美咲さんが、蒼銀色の転移門を見つめる。
「では、初心者ダンジョンという名前は……」
「協会が付けた管理上の名前みたいだ。俺たちが攻略したのは、まだ全体の五分の一だ」
「ぷる……」
シズクまで驚いたように身体を伸ばしている。
第十一層への転移門は、静かに揺らぎ続けていた。
「先へ進みますか?」
「いや、今日は戻ろう。シズクの魔力も残っていない。何より、協会へ報告する必要がある」
「分かりました」
俺たちは蒼銀色の転移門と床の紋章を、ボディレコーダーへ記録する。
その先へは踏み込まず、青い帰還用転移門へ触れた。
◇
地上へ戻ると、俺たちは換金カウンターへ向かわず、調査課へ連絡した。
連絡を受けた髙橋さんから、先に医務室で検査を受けるよう指示される。
俺の肩は軽い打撲で、骨や筋肉に異常はなかった。
シズクも魔力を消耗しているだけで、身体に損傷はない。
治療と休憩を終えてから、調査課の確認室へ移動した。
髙橋さんは提出した映像を確認し、何度も蒼銀色の転移門が映っている場面を再生していた。
「第十一層への転移門……」
「はい。俺の『解析鑑定』では、全五十層と表示されました」
「初心者ダンジョンは、長年にわたって全十層と記録されています。第十層の階層守護個体を倒した探索者も、一組や二組ではありません」
「今回は、シズクが戦闘へ参加したことで条件を満たしたみたいです」
髙橋さんが、画面へ映るシズクを見る。
「スライム系従魔の同行が、隠された階層を開く条件だったのですね」
「はい。解放されたあとも、登録済みのスライム系従魔と契約者が同行しなければ、転移門は見えないみたいです。同じパーティーやクラン、共同探索隊の人なら一緒に利用できます」
「分かりました」
髙橋さんが映像を停止させる。
「この件は、確認が終わるまで公開しないでください。初心者向けとして管理してきた迷宮に、未確認の四十層が存在するとなれば、影響が大き過ぎます」
「動画にも載せません」
「ありがとうございます。可能であれば、今日中に現地確認へ同行していただけませんか?」
美咲さんが、隣で休んでいるシズクを見る。
「シズクへ戦わせる必要はありませんか?」
「確認だけです。戦闘が発生した場合に備え、調査課の護衛も二名同行させます」
俺はシズクの状態を確認する。
魔力も三割ほど回復し、従魔用ゼリーと休憩によって体調は落ち着いている。
転移門を使って移動するだけなら問題はなかった。
「分かりました。ただ、危険があると判断した場合は、すぐに戻ります」
「もちろんです」
俺、美咲さん、シズク、髙橋さん、護衛を担当する戦闘職二人。
計六名を一時的な共同探索隊として登録し、再び第十層へ向かうことになった。
◇
虹晶王スライムが消えた守護部屋へ戻る。
蒼銀色の転移門は、先ほどと変わらず残っていた。
「見えます……」
共同探索隊として登録された髙橋さんが、驚いたように転移門を見上げる。
護衛の二人も、王冠を載せたスライムの紋章を確認できていた。
髙橋さんが、持参した階層構造測定器を転移門の前へ設置する。
通常の『鑑定』では、蒼銀色の揺らぎが転移門であることしか分からないらしい。
測定器から複数の光が伸び、転移門の内部へ吸い込まれていく。
しばらくして、端末へ結果が表示された。
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『迷宮階層構造・測定結果』
『検出階層数:50』
『既知階層』
・第1層から第10層
『未踏階層』
・第11層から第50層
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「本当に、五十層……」
髙橋さんが、測定結果を見つめる。
「初心者ダンジョンという名称は、第一層に生息する魔物の危険度を基準に、協会が付けたものです」
「迷宮全体の難易度を示す名前ではなかったんですね」
「はい。迷宮自身が、本当の名称や総階層数を示したことはありませんでした」
髙橋さんが、蒼銀色の転移門へ視線を戻す。
「入口付近の魔物だけで、初級、中級、上級と区分する現在の方法も、見直す必要があるかもしれません」
「ほかのダンジョンにも、隠された階層があると思いますか?」
「現時点では分かりません。しかし、その可能性を否定できなくなりました」
髙橋さんは転移門へ近付かず、測定器の記録を保存する。
「第十一層への進入は、調査体制を整えてからにしましょう。危険度も環境も分からない状態で入るべきではありません」
「俺もそう思います」
シズクが美咲さんの腕の中から、蒼銀色の転移門を見つめる。
「ぷる……」
「今日は入らないよ」
「ぷるっ」
美咲さんに言われ、シズクが素直に身体を縮めた。
協会では全十層とされていた、初心者ダンジョン。
その本当の名前は、スライム帝王の迷宮。
俺たちは最深部へ辿り着いたと思っていた。
だが実際には、全五十層ある迷宮の、最初の五分の一を攻略したに過ぎなかった。




