54話「浄化茸の聖域と最高品質の回復薬」
人間ほどの大きさがある茸が、根のような脚を動かして近付いてくる。
赤褐色の傘が脈打つたび、周囲へ細かな胞子が漏れ出していた。
俺は鋼短剣を構えたまま、『解析鑑定』の結果を確認する。
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『歩行茸』
『分類:菌類型魔物』
『危険度:D』
『攻撃方法』
・体当たり
・菌糸鞭
・毒胞子散布
『弱点』
・火属性攻撃
・柄の付け根にある魔核
『特性』
・火属性攻撃を受けると、毒胞子の散布と菌糸の再生が一時停止
『ドロップ品』
・良質な魔核(100%)
・歩行茸の傘(40%)
・毒胞子袋(10%)
『注意』
・傘へ強い衝撃を与えると、蓄積した毒胞子を一斉に放出
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「傘を攻撃しないで! 強い衝撃を与えると、毒胞子を放出する!」
「では、柄を狙います!」
美咲さんが剣を抜く。
歩行茸が、細長い脚のような菌糸を動かして近付いてきた。
見た目からは想像できないほど速い。
傘の下から白い粉が漏れ、周囲へ広がり始める。
「毒胞子が来る!」
「ぷるっ!」
シズクが美咲さんの肩から跳び下りた。
身体の前へ小さな風を作り、近付いてくる毒胞子を押し返す。
俺と美咲さんは防毒マスクを着けているが、周囲の胞子まで消えるわけではない。
「シズク、そのまま胞子を遠ざけるんだ!」
「ぷるっ!」
シズクが風を巻き起こし、胞子を遠ざける。
巻き起こった風に煽られ、歩行茸が身体を大きく傾ける。
地面を這っていた菌糸が、鞭のように美咲さんへ振るわれた。
美咲さんは盾で菌糸を受け流し、そのまま歩行茸との距離を詰める。
「魔核は、柄の根元です!」
「ここですね!」
傘を傷付けないよう、剣を低い位置から振り上げる。
刃が柄の根元へ食い込み、内部にあった魔核を切り裂いた。
歩行茸の動きが止まる。
巨大な身体が傾き、光の粒子へ変わっていった。
「倒せました」
「シズクもありがとな。胞子はもう大丈夫だ」
「ぷるっ!」
シズクが風を止め、美咲さんの肩へ戻る。
地面には、良質な魔核と、歩行茸の大きな傘が残されていた。
俺は傘へ『解析鑑定』を発動させる。
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『歩行茸の傘』
『品質:B』
『推定買取価格:12,000円』
『用途』
・毒煙玉の材料
・毒属性魔導具の材料
『注意』
・未加工の状態では、衝撃により毒胞子が漏出する可能性あり
・密閉容器での保管を推奨
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「食用ではないみたいだ。毒煙玉の材料に使われる」
「見た目からして、食べたいとは思いませんね……」
「俺も同感だよ」
歩行茸の傘を折り畳み、密閉式の素材容器へ収める。
「火属性の攻撃があれば、毒胞子を止められたみたいだ」
「シズクが覚えているのは、風属性だけですからね」
「他の属性にも、風水晶のような素材があるかもしれない。見つけたら調べてみよう」
「ぷるっ!」
新しい魔法と聞いて張り切ったのか、シズクが身体を伸ばした。
「シズク。まだ見つかってもいないからね」
「ぷる……」
美咲さんに言われ、シズクが少しだけ縮む。
俺たちは周囲の毒胞子へ注意しながら、胞子洞窟の奥へ進んだ。
◇
しばらく歩いたところで、胞子の流れに違和感を覚えた。
「……あれ?」
「どうしましたか?」
「向こうだけ、胞子が流れていない」
通路の右側には、白や紫の茸が密集している。
目立った隙間はない。
だが、周囲を漂う毒胞子は、茸の壁を避けるように左右へ分かれていた。
「奥から風が吹いているのでしょうか?」
「それなら、胞子が押し返されるはずだけど……」
茸の壁へ近付き、『解析鑑定』を発動させる。
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『胞子壁』
『状態:閉鎖中』
『擬装:作動中』
『接続先』
・第6層・隠し安全区域
『開放方法』
・毒胞子が付着していない白茸を押し込む
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「この奥に、安全区域がある」
「また隠し区域を見つけたんですか?」
「そうみたいだ」
茸の壁を確認する。
数え切れないほど生えている白茸の中に、一つだけ毒胞子が付着していない物があった。
「これだと思う」
手袋を着けたまま、白茸を押し込む。
すると、密集していた茸が左右へ動き始めた。
奥へ続く細い通路が現れる。
「本当に入口がありましたね……」
「中の安全を確認してから入ろう」
俺が先に通路へ入る。
数歩進むと、急に視界が開けた。
「これは……」
思わず足を止める。
胞子洞窟の中にあるとは思えない、巨大な空間が広がっていた。
地面は柔らかな苔に覆われ、その間から色とりどりの茸が生えている。
天井までは、百メートルほどある。
その遥か頭上に、巨大な白い茸が生えていた。
太い柄が天井から垂れ下がり、床へ向けて大きな傘を広げている。
傘から溢れた白い光の粒が、雪のように空間全体へ降り注いでいた。
洞窟内を埋め尽くしていた毒胞子は、一つも漂っていない。
「美咲さん。中は安全みたいだ」
美咲さんとシズクを呼ぶ。
「綺麗……」
美咲さんが、遥か頭上の茸を見上げる。
シズクも結晶冠を浮かべたまま、身体を大きく伸ばしていた。
「ぷる……」
俺は空間全体へ『解析鑑定』を発動させる。
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『第6層・隠し安全区域』
『名称:浄化茸の聖域』
『区域形式:常設型』
『状態:安全』
『区域特性』
・魔物出現なし
・魔物侵入不可
・浄化茸による毒素と毒胞子の分解
・毒胞子濃度:0%
『採取可能素材』
・栄養茸
・怪力茸
・鉄壁茸
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「浄化茸の聖域という場所みたいだ。魔物も毒胞子も入ってこない」
安全を確認し、俺たちは防毒マスクを外した。
「空気まで綺麗ですね」
「天井にある浄化茸が、この区域を維持しているらしい」
遥か頭上の巨大な茸へ意識を向ける。
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『浄化茸』
『分類:区域維持植物』
『生育位置:聖域天井部』
『地上高:約100メートル』
『採取:不可』
『効果』
・浄化光による毒素と毒胞子の分解
・聖域内の空気を常時浄化
・周辺へ生息する魔物の侵入を遮断
『備考』
・浄化茸は隠し安全区域と一体化している
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「浄化茸そのものは採取できないみたいだ」
「区域と一体化しているなら、無理に採取することもできなさそうですね」
「それに、普通の装備では近付くこともできない高さだよ」
希少区域とは異なり、消失までの時間も表示されていない。
第六層の中へ常設されている隠し区域らしい。
「ここを協会へ報告すれば、探索者の休憩場所として使えるかもしれませんね」
「うん。入口までの映像も残っているし、帰ったら高橋さんへ報告しよう」
毒胞子が漂う第六層で、防毒マスクを外して休める場所がある。
それだけでも、探索者の負担は大きく減るはずだ。
地上には、形や色の異なる茸が生えていた。
最初に、淡黄色の丸い茸へ意識を向ける。
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『栄養茸』
『品質:B』
『効果』
・加熱調理により栄養吸収効率が上昇
・軽度の疲労を回復
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『怪力茸』
『品質:B』
『効果』
・加熱調理後、基礎筋力を20%上昇
・効果時間:10分
・『調理強化』との併用:可能
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『鉄壁茸』
『品質:B』
『効果』
・加熱調理後、基礎耐久力を20%上昇
・効果時間:10分
・『調理強化』との併用:可能
『共通注意事項』
・生食非推奨
・同種素材の効果は重複不可
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「一時的に身体能力を上げる茸もある」
「明里さんの料理と似た効果ですか?」
「効果時間は短いけど、上昇する能力は大きい。それに、『調理強化』とも重ねられるみたいだ」
「階層守護個体へ挑む直前に食べれば、かなり役立ちそうですね」
「ただ、調理方法は分からない。今日は一つずつ採取して、明里さんに相談してみよう」
「そうですね。生で食べるのは怖いです」
栄養茸、怪力茸、鉄壁茸を一つずつ採取する。
他にも生えていたが、安全区域の状態へ影響が出る可能性もある。
最初から大量に持ち帰るのはやめておいた。
茸を個別の採取容器へ収め、探索鞄へしまう。
「少し休んでから進もう」
「はい」
俺たちは水分を取り、シズクにも従魔用の栄養ゼリーを与えた。
短い休憩を終えると、再び防毒マスクを着ける。
「シズクも、防毒液はまだ効いてるね」
「ぷるっ!」
「では、行こう」
浄化茸の聖域を出て、胞子洞窟の探索を再開した。
◇
隠し安全区域から離れ、さらに奥へ進む。
通路の左右には、俺の腰ほどの高さがある茸が何本も生えていた。
「見た目だけでは、魔物と普通の茸を区別できませんね」
「近付く前に、一つずつ調べてみる」
正面にある黒紫色の茸へ意識を向ける。
解析結果は、普通の毒茸だった。
その隣。
薄茶色の傘を持つ巨大な茸へ視線を移す。
情報が表示されようとした瞬間、足元の地面が僅かに盛り上がった。
「美咲さん、そこから離れて!」
俺の声と同時に、地面から太い菌糸が突き出した。
美咲さんが後方へ跳ぶ。
最初の菌糸は回避したが、別の菌糸が地中から俺へ向かって伸びてきた。
「陸斗さん!」
美咲さんが俺の前へ入り、盾で菌糸を受け流す。
だが、さらに横から現れた細い菌糸が、刃のように美咲さんの左腕を切り裂いた。
「くっ……!」
「美咲さん!」
左腕から血が流れる。
巨大な茸の色が、薄茶色から黒紫色へ変わっていった。
擬態を解除した茸が、地中から無数の菌糸を伸ばす。
俺は『解析鑑定』を発動させた。
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『擬態茸』
『分類:菌類型魔物』
『危険度:C-』
『特性』
・周辺植物への擬態
・地中菌糸網
・菌糸再生
・毒性注入
『弱点』
・火属性攻撃
・地中中央部に存在する魔核
『攻略情報』
・攻撃時は擬態を一時解除
・火属性攻撃により、擬態と菌糸再生を停止可能
・地中の魔核を破壊すると活動停止
『ドロップ品』
・良質な魔核(100%)
・擬態菌糸(30%)
・高濃度毒袋(5%)
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「火が弱点! でも、今は地中の魔核を狙うしかない!」
「私は動けます!」
美咲さんが左腕を庇いながら、右手の剣を構える。
「無理はダメだ! シズク、茸の根元へ風弾を撃って!」
「ぷるっ!」
シズクの身体の前へ、圧縮された風が集まる。
擬態茸から菌糸が伸び、シズクを狙った。
美咲さんが剣を振るい、迫っていた菌糸を切り払う。
「シズク、今だ!」
「ぷるっ!」
風弾が放たれる。
風の球体が擬態茸の根元へ直撃した。
茸の身体が大きく傾き、弾けた風が地面の土を巻き上げる。
地中へ張り巡らされていた菌糸が露出した。
その中心。
黒紫色の菌糸に包まれた魔核が見える。
「見つけた!」
羽靴で地面を蹴る。
擬態茸が俺を止めようと、何本もの菌糸を伸ばしてきた。
「陸斗さんには、触れさせません!」
美咲さんが右手の剣を横薙ぎに振るい、俺へ迫っていた菌糸を切り払う。
開いた隙間へ飛び込む。
鋼短剣を両手で握り、露出した魔核へ突き立てた。
硬い感触。
さらに体重を掛けると、刃先が魔核を貫いた。
擬態茸の全身が大きく震える。
地中から伸びていた菌糸が力を失い、黒紫色の粒子となって崩れていった。
「美咲さん!」
ドロップ品を確認するより先に、美咲さんへ駆け寄る。
左腕の防具が裂け、その下から血が流れている。
「大丈夫です。これくらいなら___」
「大丈夫じゃない。腕を見せて」
美咲さんの左腕へ『解析鑑定』を発動させる。
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『個体名:佐伯美咲』
『状態』
・左上腕部の深部裂傷
・軽度の毒状態
・菌糸毒による組織損傷:進行中
『推奨処置』
・中和解毒薬の服用
・傷口の洗浄
・上級以上の回復薬を使用
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「解析鑑定では、菌糸毒による損傷が進んでる。先に解毒薬を飲んで」
探索鞄の回復薬収納部へ手を入れる。
薬瓶が種類ごとに分けられているため、すぐに中和解毒薬を取り出せた。
美咲さんが蓋を開け、解毒薬を飲み干す。
「次は回復薬を___」
俺が取り出した小瓶を見て、美咲さんが目を見開いた。
普通の最上級回復薬よりも、白金色の輝きが強い。
探索者協会から、最高品質の認証を受けた一本。
俺へ分けられた回復薬だった。
「陸斗さん。それ、最高品質の方ですよね?」
「飲んで」
「でも、一本十万円もした物ですよ」
「美咲さんが無事でいる方が大事だ」
自分でも、声が震えているのが分かった。
解析結果を見れば、すぐに命へ関わる状態ではない。
それでも、美咲さんの腕から流れる血を見た瞬間、少しでも効果の高い物を使うことしか考えられなくなった。
「……分かりました」
美咲さんが、最高品質の最上級回復薬を飲む。
直後、白金色の光が全身を包み込んだ。
「これは……」
左腕の傷が、時間を巻き戻すように閉じていく。
血が止まり、裂けていた皮膚も跡を残さず元へ戻った。
「傷が消えました……」
「毒は?」
もう一度『解析鑑定』で確認する。
中和解毒薬も正常に作用し、毒性は消えていた。
「大丈夫。毒も消えてる」
その結果を見て、ようやく息を吐くことができた。
美咲さんは完全に回復している。
それでも、これ以上探索を続ける気にはなれなかった。
「浄化茸の聖域へ戻ろう」
「私はもう動けますよ?」
「それでも、今日はここまでにしたい」
美咲さんが俺の顔を見つめたあと、静かに頷く。
「分かりました。戻りましょう」
ドロップした良質な魔核と擬態菌糸だけを回収し、来た道を引き返した。
◇
浄化茸の聖域へ戻る。
安全を確認してから防毒マスクを外し、柔らかな苔の上へ腰を下ろした。
シズクが美咲さんの左腕へ身体を押し付けている。
「ぷる……」
「心配させてごめんね。もう痛くないよ」
「ぷるっ」
美咲さんがシズクを撫でた時、その手が止まった。
「あれ……?」
「どうした?」
「ここに、小さな傷痕があったんです」
美咲さんが右手の甲を見せる。
「探索者になったばかりの頃、訓練中に作った傷です。でも、なくなっています」
最高品質の最上級回復薬は、左腕の傷以外にも作用している。
改めて、美咲さんの全身へ『解析鑑定』を発動させた。
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『個体名:佐伯美咲』
『状態:良好』
『毒状態:解消』
『回復完了』
・左上腕部の深部裂傷
・毒による軽度の組織損傷
・全身に残っていた軽微な古傷
・蓄積した筋肉疲労
『副次効果』
・肌状態:最良
・毛髪状態:最良
____________________◇
「左腕だけじゃない。身体に残っていた小さな古傷や、筋肉の疲労まで回復してる」
「全部ですか?」
「解析結果では、そう表示されてる」
美咲さんが、傷のあった手の甲を何度も撫でる。
そのまま自分の頬へ触れ、驚いたように指を止めた。
「肌も、何だか……ぷるぷるしています」
結んでいた髪へ指を通す。
毛先まで引っ掛かることなく、指が滑り抜けた。
「髪まで、さらさらになってる……」
美咲さんが信じられないように、自分の髪を見つめる。
シズクも気になったのか、身体を伸ばして美咲さんの頬へ触れた。
「ぷる?」
「シズクみたいになったわけじゃないよ」
「ぷるっ」
張り詰めていた空気が、少しだけ和らぐ。
「最高品質の回復薬が一本十万円だった理由が、分かった気がします」
「うん。普通の傷を治すだけじゃなく、身体全体を一番良い状態まで戻すみたいだ」
「でも、陸斗さんが持っていた一本を使わせてしまいました」
「さっきも言ったけど、美咲さんが無事ならそれでいいよ」
「……ありがとうございます」
美咲さんが、左腕を確かめるように動かす。
俺が受け取った最高品質の回復薬は、もう残っていない。
最高品質は、美咲さんが持っている一本だけになった。
だが、惜しいとは思わなかった。
「今日は、このまま戻ろう。隠し安全区域の報告もあるし、次に来る時は火属性の攻撃アイテムも用意しておきたい」
「はい。火属性で擬態や菌糸の再生を止められれば、もっと安全に戦えます」
「ぷるっ!」
俺たちは採取した三種類の茸と、歩行茸や擬態茸から得た素材を確認する。
隠し安全区域の入口と場所も、ボディレコーダーへしっかり記録されていた。
第六層の探索は、予定より早く切り上げることになった。
浄化茸の聖域を発見し、新しい素材も手に入れた。
そして、美咲さんが無事に俺の隣を歩いている。
俺はそれが何より嬉しかった。




