表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
明日やろうは後悔の元

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
96/100

リスクも時によっては必要。

「どんな感じ?」

 碧が聞いてきた。


「村全部が『努力が足りない』か『反抗的』って事で人柱と言う名目の見せしめで殺された村の、住民達の霊みたい。

 でも、この慰霊碑に残っているのが全部じゃ無いと思う」

 とは言え、何かに取り憑いていないとそのうち悪霊だってエネルギーが薄れてきちゃうんだけどね。

 以前のヤバい寺みたいに、封じ込めるための結界で区切られた寺の敷地全部が悪霊溜まりみたいになってるならまだしも。

 ここは比較的風の通りも良い小山の上なので、周囲に更に高い山があるとは言ってもそのままで悪霊が溜まるような場所じゃあない。


「村全部を人柱ってなにそれ??」

 碧がドン引きした様子で聞き返した。

「まあ、名目は人柱だけど実質は反抗的で旧領主を慕っているっぽく見えた連中の代表としての見せしめだったんだろうね」


「う〜ん、取り敢えずじゃあ、凛がその慰霊碑にいる霊を除霊して、それに釣られて何か出てこなかったら、重機でも動かしてダウンバーストが起きるとか言うような作業をやって貰おうか」

 碧が提案した。


「だね」

 考えてみたら。戦国時代の霊だろうに、よくぞ重機が工事の道具だと分かったもんだね。

 それとも、『自分たちの寝床を壊した大きな化け物』とそれを操る不届者達だとでも思っているのかな?


 まあ、余程魂が劣化して思考能力が無くなっているんじゃ無い限り、誰かに取り憑いたらある程度の知識は吸収できるからね。

 工事現場の人達を祟っている間に工事で必要な作業とか、壊れたら困る重機などに関する知識を得て、ピンポイントに有効な嫌がらせをしてるのかも。


 物を壊すだけで、工事現場の作業員が誰もまだ亡くなっていないのは、同じようにハードな工事現場に来て納期に追い立てられる人間達への同情と言うか共感もあるのかも。


 それこそ、夏のレジャー施設化を決めた施設の運営会社のお偉いさん(もしくはどこかのファンドのオーナー? スキー場の資本関係がどうなっているのか知らない)が来たら、ヤバかったかも。


 そう考えると、霊障が起きた現場って上のお偉いさんは視察に来ちゃいけないんだね。


 と言う事で、周囲に注意を払いながら、慰霊碑に触れてそこにいる霊達を全て昇天させた。

 私がやるんだと、碧の時みたいに気持ちよくは逝けないと思うが。悪いけど、碧の魔力も底なしでは無いからね。

 多分本命的に危険な悪霊がまだ残っているので、こっちまで碧に任せる訳にはいかない。


『おとん!!』

『おまえさん!』

 慰霊碑に憑いていた霊達が消えた事に気付いた霊が更に何体か出てきたので、さっと結界にキャッチしてそちらも祓う。

 こっちの方はちょっと荒っぽくなったが、慰霊碑から離れて彷徨いていたと言う事は多分悪さもしていたんだろうから、しょうがないと思って貰おう。


 が。

「こっちも小粒だね。

 やはり重機でも動かして貰わないと駄目みたい」

 心なし、清らかになった周囲を見回しながら碧と大崎さんに告げる。


「慰霊碑に憑いていた霊は祓いましたが手応えから言って、封じられていた中でもっと危険な霊はこの慰霊碑から離れていたようです。

 重機を動かすと危険なダウンバーストが起きたり、説明の付かない事故が起きるのでしたら、ちょっとその重機を動かして貰えますか?」

 碧が依頼主側の担当(大崎さん)に言った。


「え。

 こう、念仏を唱えて悪霊を呼び出したり出来ないんですか?」

 大崎さんが困った顔をして聞いてきた。

 2時間の山登りでもにこやかだったのに、重機を動かすのは嫌らしい。


 まあ、動かして重機を悪霊に壊されたら責任問題になるし、何十万か何百万の損失かも知れないからね。

 嫌がる気持ちは分かる。

 が。

 念仏を唱えて悪霊を呼び出すのは私らの技能には含まれないし、悪霊が居る場所が分からないまま適当に範囲を区切って碧が清めても、空振りする可能性があるからね〜。


「数週間だったら悪霊が寄り付けないようにするのは可能ですが、まだ遭遇したことのない危険な悪霊を呼び寄せるのは出来ません。

 だから襲われると分かっている行動をして貰うのが一番確実でしょう。

 大きな被害が出る前にちゃんと悪霊を抑えますので、協力をお願いしますね」


「……はい」

 大崎さんがため息を吐きつつ、コンテナっぽい事務所の中に入っていった。

 あそこに重機の鍵があるのかな?

 と言うか。

 重機がダウンバーストを食らったって話だけど、動かせるって事は倒れるだけで壊れなくて、それを人力で戻したのかな?


 それとも元々重機が何台かあって、今から動かすのは幸運にもまだ壊されてなかった機体なのか。


 考えてみたら、こんなところで重機が壊れたら修理に出すのも大変そうだ。

 道が通れる状態だとしても、季節によって泥沼化する道なんて、重機を載せて運べるほどの大型トラックが入れるかはかなり怪しい気がする。


 そんなことを考えながら、周囲を見遣ってどのくらいの範囲に結界を広めれば悪霊を捕まえられるか、考える。

 横の広さよりも、高さが重要かな?

 現れた悪霊を閉じ込める為に小さめでも遠くに出せるような結界を準備しておくのが良いかも。

「一体だったり一箇所に固まっていれば私が結界で捕まえるけど、悪霊が複数だった場合に備えて、碧も結界で閉じ込める用意だけはしといてくれる?」

 碧に声を掛けておく。


「あんまり捕まえる結界は得意じゃないけど、頑張るね」

 碧が頷く。


 まあ、捕まえられなくても、重機が壊れて碧が責められる前に白龍さまが何とかしてくれるでしょう、きっと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
襲われると分かっている行動はそりゃあやりたくないでしょうねw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ