買い出し
「なんかこう、木の棒を地面に打ち付けて木板と扉を固定するのかと漠然と思ってた」
碧パパと尾山さんが消えた後、雑草で一杯になった段ボール箱を洞窟のそばに運び、追加で段ボール箱を草が残っている辺に組み立てて置いて回りながら碧に言う。
考えてみたら、聖域のあちこちにあった刈った雑草が雑に積んである段ボール箱を見て、尾山さんや碧パパは私らは何をやってるんだと思ったかな?
まあ、何も聞かれなかったから良いけど。今後はあまり人が来る時は説明しにくい事はやらない方が良いかもだね。
「だね〜。
私もあまり考えて無かったけど、聖域の中って外より少し過ごしやすいとは言え雨は降るんだから、木材だったら腐らないようにメンテするの大変だったかも」
碧も保管場所から段ボール箱を出してきて、組み立てながら苦笑しつつ応じた。
「段ボール箱も追加で買った方が良さそうだね。
これを配置し終わったらホームセンターに行こう」
その前に魔力を使い魔達に追加で提供しなきゃだね。
昨日から色々とやって貰っているから、追加補給した方がいいだろう。
「タヌコ、コン吉、ソラ、ヒコ〜!
いらっしゃ〜い!」
しゅぱぱっと浮遊霊達が即座に現れた。
ついでにお気に入りらしき熊手や塵取りまで持ってきているので、他人から見たら私が園芸用品に襲われているように見えたかも。
「まだ残ってる草の回収を続けてね、よろしく〜」
順番に魔力を込めていたら、しれっとクルミも目の前に現れていた。
あまり諏訪では仕事を頼んでないんだけどね〜。
まあ、臍を曲げられたら面倒だし、いいけど。
「ホームセンターから洞窟の様子を見直して確認したくなるかも知れないから、洞窟のそばで待っていてくれる?」
ついでなのでお願いしておく。
メジャーも伸ばした状態で床に出しておこう。
寸法は測ってメモしたけど、意外と実際に中に置く家具を買おうとしたら『これで大丈夫かな?』と心配になって確認したい事が出てくるかもだからね。
『分かったにゃ〜。
追加報酬の魔力は帰ってからで良いにゃ〜』
ふわふわと新しく出来た洞窟の方に漂いながらクルミが応じる。
今、追加で魔力をあげたところじゃん!!
クルミは前世の記憶が覚醒して一番最初に契約した使い魔なのだが、猫霊なせいかかなり気まぐれだし、時折ナチュラルに私が下僕扱いなとこがあるんだよね〜。
まあ、それなりに色々と役に立ってくれるんで文句は言わないが。
と言う事で、碧が昔からちょくちょく使っていたと言うホームセンターへ。
「そう言えば、オーブントースターとか炊飯器も売ってたら買う?」
駐車場に車を停めたところでふとさっき考えたことを思い出して提案する。
「オーブントースターはあったら他の料理にも使えるから安価版で応用が効きそうなのを買おうか。
炊飯器は……電子レンジで炊ける容器を買ってみない?」
碧が提案してきた。
そう言えば、電子レンジでご飯を炊ける容器ってあるんだっけ。
美味しいのかな?
まあ、炊き立てはそれなりだろうけど、冷めたら微妙かも。
「そうだね〜。
取り敢えず、二人で一食分って事で1合炊けるのがあったら買ってみようか。
態々電子レンジで多めに炊いて、後でまた電子レンジで温め直すのも意味がない気がするから、炊いたら全部食べる感じで」
プラスチックの容器だったら味が許容範囲内じゃ無かったらあっさり捨てられるしね。
「そうしよう。
ついでに無洗米も買っていくかな〜」
マンションの方だと普通の米を買って、研ぎ汁をベランダの植木鉢に撒くのに使っているんだけど、諏訪では植木鉢はない。
無洗米の方が多少は高くても手間がなくて良さそうだよね。
と言う事でオーブントースターと米、電子レンジ炊飯器とを選び、ラックが色々と展示されている通路へ。
「やっぱ、ステンレスのラックの方が安い合板のより良いよね?」
碧がラックが色々と並んでいる通路で商品を見比べながら言った。
「だと思う。
虫が湧いたりしたら嫌だし」
外にある洞窟の中に置くのだ。
いくら壁と扉で入り口を遮っているとは言え、小さな虫はガンガン入ってきそうだ。
草刈りを大々的にやって保管場所で乾燥させるようになってからは、その際にカメムシや羽虫にも効くタイプのバル◯ンを焚いているんだけど、時期によっては間隔が空くかもだし。
Gやムカデは碧の虫除け魔道具カードで一掃しているが、あれだって有効期間に限りがあるから、運び出す時に再度一掃して確実に生きているのは居ない形にしているが、それでも偶に死骸が出てくる事もあるんだよねぇ。
自然の中の虫の繁殖力は馬鹿にできない。
油断も隙もあったもんじゃない。




