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続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
新しい洞窟

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段取りが悪かったかも

 ラックは入れば入るだけ大きい物が良いとも思えるが、大きすぎて上の段へ物を持ち上げられなかったら意味がない。

 前からある保存場所のラックは男性の視点から選ばれたのか、私も碧も一番上の段に雑草を詰め込んだ段ボール箱を持ち上げるのは難しい。お陰でそこが使われずに無駄になっているのが我々としては不満だったので、今回はホームセンターに来る前にどの程度の高さだったら段ボール箱を持ち上げられるかを確かめてある。

 と言うことで、私たちはその最大限の高さで横幅が出来るだけ大きいラックを合計四つほど買った。今時の日本家屋って横より上にスペースを確保するのが楽なのか、女性が楽に1番上の段に物を載せられる高さで横幅があるラックはあまり無かったが。まあ、選択肢が多過ぎない方が選ぶのに悩まないで済むけどね。


 これらを洞窟の左右の壁沿いに置く予定だ。一応真ん中にももう一列ラックを置けそうなんだけど、下手に入れすぎて後で物の出し入れに困る羽目になったら嫌なので、真ん中は簀の子を置いてその上に段ボールを直接置く。

 ラックで段ボール箱の間に隙間が開くように置く方が段ボール箱を直接積み上げるより良い感じに雑草が乾燥すると思うので、両側のラックと簀の上1層分置いてまだ段ボール箱(と収穫した雑草)があるようだったら、また考えようということにしたのだ。


 で。

 聖域の一番近くまで車を乗り入れられる所に車を停めた私らは、ちょっと頭を抱えていた。


「これ、二人で運び込むのかぁ……」

 後部座席を倒して後ろを大きくしてあるのでそのまま箱に入った組み立て前のラックを4つ入れてあるのだが。

 一つ一つは二人がかりで持てば持ち上げられるが、あれを4つ、ちょっと森っぽくなっている小道を歩いて聖域の中まで運び込むのは……ハードそうだ。

 ホームセンターでは台車に乗せた上に、店員が車に詰め込むのも手伝ってくれたのだ。女性二人にはちょっと重いと見做されたらしい。


「なんかこう、生きている熊か鹿を使い魔にして運ぶのを手伝ってもらいたい気がしてきた」

 死んでいる霊の方が使い魔にしやすいんだけど、一応生きているのだって隷属させて使うのは可能……な筈。

 もしくは昏倒させて一時的にヒコとかに取り憑かせて体を動かさせるとか。


 そっちの方が楽かも。

 まあ、生きている熊なり鹿なりを見つけて昏倒させるのは大変そうだけど。


「いやよ、そんなダニや蚤やマダニがいっぱい付いていそうな動物のそばによるなんて。

 第一、聖域の中にマダニが増えまくっちゃったら困るでしょう」

 碧が私の夢想の問題点を指摘した。


 そっか、生きている野生動物だと色々と余分な生き物がついているのか!!!


「じゃあ、諦めて二人で運ぼうか。

 ちなみに弟くんが早い目の夏休みで諏訪に戻ってくる予定があるなんて期待できないよね?」

 弟と言うのは姉にとっては便利な下僕であると言う一説にちょっと期待を持ちながら碧に聞いてみる。


「残念ながら早くても来月中旬じゃないかしら?

 祝日も無いんだし、平日だしで翔が帰省する可能性はほぼゼロだと思う」

 溜め息を吐きつつ車のドアを開けて降りながら碧が言った。


「そう言えば、6月って祝日も無いんだっけ。

 なんか8月に祝日がないからお盆の辺に一日祝日を作ったんで、ほぼ全ての月に祝日があるような気がしていたけど、6月は唯一祝日がないままな月なんだね〜」

 12月も平成の天皇陛下が譲位したのでクリスマス間際の祝日が無くなってしまったが、どうせ27日あたりで仕事仕舞いするから実質28〜31日は祝日だ。


 そう考えると、6月ってマジで1年間のうちで唯一休みがない月なんだね。

 ゴールデンウィークにサボった分のリカバリーとして頑張って働けってやつなのかな?


 まあ、私らは自由業だから祝日なんてあまり関係ないんだけどさ。

 流石に洞窟の扉と壁とを尾山さんと設置してくれる碧パパにラックを運ぶのを手伝ってとも言い難いので、私と碧はヒイコラ言いながら、何とか四つのラックを聖域まで運び込んだ。

 特に大変な部分では筋肉に魔力を込めて身体強化したが、あれって長時間使い続けるのには向かないんだよねぇ。と云うか、正確には長時間やるならそれなりに鍛錬が必要。


「……取り敢えず、ご飯を食べに行って休もう」

 組み立てなきゃいけないラックと、洞窟まで集めなきゃいけない聖域中に散乱している段ボール箱、そして前回刈って部屋の方に持って帰って来月分のアイピローやクッションに入れなきゃいけない雑草。

 考えてみたら、今月分の出荷もまだ終わっていない。

 昨日、夕食後にある程度やったけど、まだ半分ぐらい残っているんだよね。


「ちょっとやる事があり過ぎるね!

 まずは今月分の出荷を今日中に終わらせて、先月の雑草を部屋に持って帰り、刈った草を前からある保管場所に入る分だけ入れてからラックを組み立てようか」

 碧が背中を反らして伸びをしながら言った。


「考えてみたら、出荷を今日中に終わらせないとまずいか。

 取り敢えず、車に戻るついでに一箱ずつ先月の雑草を持ち帰って、部屋に戻ろう」

 諏訪に来てすぐに、どこへ保管場所の洞窟を掘ってもらうか考えようと来たその場であっという間に洞窟が出来ちゃった上に草刈りもして貰えちゃったおかげで、ちょっと色々と予定が狂ったわ。


 白龍さまは別に洞窟が出来たからってさっさとそれを対処しろとは言ってないんだから、つい慌てって色々やろうとしたのは失敗だったかも。


 ちゃんとやらなきゃいけない事の優先順位をしっかり考えないと。

 段取りは重要だよね。






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