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続・転生しても、現代社会じゃ魔法は要らない子?! 〜と思ってたら実は仕事になった!  作者: 極楽とんぼ
ペットの不幸

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さようなら

 敷地に入る前に、まずは亜空間収納から臭い現場用にと買ったビニール製(多分?)の全身防護服を取り出して、ズボンとシャツの上から着た。

 今日が曇りで良かった。

 こないだの真夏日みたいに晴れて暑かったら、防水加工されたビニールの作業服を上に着たりしたら、茹だってしまうところだった。


 中の服や体に悪臭がつかないのが目的一つだから、風を通して汗を乾かす訳にもいかない。そうなると汗だくになってマジで脱水症状→熱中症で倒れかねない。

 汚屋敷依頼でこんなのを着ることになった場合はクーラーをつけるよう依頼人に要求できるが、ここみたいな外の多頭飼育崩壊現場だったらそう言う訳にもいかない。

 そうなったと早朝に来るしか無いかなぁ。

 他にも多頭飼育崩壊現場を清める依頼が来るんだったら、梅雨が明けて暑くなる前に全部終わってくれると良いんだけど……。

 まあ、ここみたいに悪質な、意図的に穢れと悪霊を閉じ込めているようなところじゃなければ全部が全部、碧に頼まなきゃいけないほどに穢れが溜まっているなんてことはないと思うけど。


 そんな事を考えながら防護服と一緒に買ったキャップの中へ髪の毛を押し込み、お高かったマスクをつけて金網の柵を門の様に止めている場所へ行って南京錠を開け、中に入る。

 ゴーグルはないけど。流石に一応清掃された後なせいか、目はヒリヒリしない。


 敷地の中の穢れはちゃんと全て消えているようだった。

 それでも一応の確認の為に、ゆっくりと魔力視で結界が張られていた範囲を見回しながら中をきっちり歩いて回る。

 かなり広い。

 駅から歩いて20分強あって多少は不便な場所だが、今時の不動産価格高騰のご時世だったら、ここに戸建てなり小さなマンションかアパートでも建てたら買う人や借りる人はそれなりにいるんじゃないかな?


 綺麗に穢れは祓われているし。

 この悪臭はちょっとキツイが……工事の時に土を入れ替えれば良いんじゃないの?


 そんな事を考えながら回っていたら、結界の右端近くにあった石に霊が取り憑いているのが視えた。

「こんにちは。

 もうここを封鎖していた結界は無くなったから、天に行くなり他の場所へ漂うなり、好きに動けるわよ?

 石から抜けなくなっちゃったんだったら手を貸そうか?」

 霊に声を掛ける(実際には念話だけど)。


 よく視たら、そこそこ強そうな霊が弱々しい霊2体を守るみたいな感じに覆って石の中に隠れている感じだ。

 慰霊碑に岩が使われる事が多いけど、こうやって見ると石とか岩って霊との親和性が高いんだね。


 慰霊碑に木材や金属を使わないのって腐ったり錆びたりするからだろうと思っていたけど、石の性質そのものも実は向いているっぽい。


『もう自由なの?』

 強めな感じだった霊が私の念話に応じた。


「そう。

 ここを地獄みたいな環境にして悪霊化した霊を収穫していた男は捕まって死んだわ。

 きっと来世では虫けらの様に他者に踏み躙られる存在になるんじゃない?」

 因果応報だよね〜。

 この目で見れないのは残念だが。


『では……我と子たちはこの後はどうしたら良いんだろう?』

 霊がちょっと困った様に呟いた。


 やっぱここの運営者、ちゃんと避妊手術をしてなかったな?

 蠱毒状態の中で子供を産む羽目になるなんて、最悪だね。

 体が重くなって体力は落ちるし、乳をあげる為により多くのカロリーが必要になるしでマジで寿命が縮んだだろう。

 それでも子犬達(多分)を守っていたんだろうねぇ。

 母犬が死んじゃったらほぼ同時に子犬達の命も潰えちゃったっぽいが。


「う〜ん、この際もう天に還って次の生涯に賭けたらどう?

 会いに行きたい元飼い主様とかもいないでしょう?」

 ブリーダーのところでひたすら子犬を産み、規定された出産数を超したからここに寄越されたんだったら過去に産んだ子供に会いに行くと言うのも選択肢としてあるかもだけど、現実的ではないよね。


『そうね。

 あなた達、行くわよ!』

 霊が一緒に石の中の隠れていた子犬(多分)の霊達に声を掛ける。


 手助けとして除霊の術を掛けて岩から抜け出すのを補助したら、あっさり3体の霊は天へ昇っていった。

 来世では従順な下僕のいる飼い猫にでもなれたらいいね〜。

 犬だとしたら猫に生まれ変わるのって複雑かもだけど。


 そのまま敷地内を歩き回ったら、更に何体か石にへばり付いて悪霊から隠れていたらしき浮遊霊(浮いてないけど)を見かけ、昇天するよう説得して回っていたらやがて敷地を一周して門のところまで戻ってきていた。


 これで綺麗さっぱり霊的存在はここには居なくなったかな?

 なんかこう、本当にマジでここを作った男は来世でもしっかり苦しんで欲しいね。


 そんな事を考えながら敷地を出て、門をして鍵を掛け、車へ戻る。

 さて。

 この防御服は捨てなきゃだね。ビニール袋に包んで亜空間収納に入れれば良いかな?

 収納内で悪臭が移るなんてことは……ない、よね??



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― 新着の感想 ―
もし真夏日だったら地獄ですね 着ても地獄、脱いでも地獄
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